ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

妊娠とワクチン 5

f:id:hiro_chinn:20210710082152p:plain

 

 

COVID-19と妊娠、ワクチンに関しては、過去の記事でお伝えしてきました。現在ワクチン接種が64歳以下の一般接種に回ってきており実際に妊婦さんが受けれる状況になってきました。

drhirochinn.work

drhirochinn.work

drhirochinn.work

drhirochinn.work

結局これまでの知見は、「妊婦のワクチン接種に際してのリスクは一般と同等であり、妊婦のCOVID-19感染に対する高リスクを考えるとワクチン接種を考慮した方がよい。」という結論だったと思います。

現在の日本の学会の意見を掲載させていただきます。

http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210617_COVID19.pdf

―新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて―

新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンは、これまで医療従事者や高齢者を中心に接種が行われてきましたが、今後は基礎疾患を持つ方、それ以外の方へと順次拡大されます。皆さまが最も関心のある「妊婦さんへの接種」については、すでに多くの接種経験のある海外の妊婦に対するワクチン接種に関する情報では、妊娠初期を含め妊婦さんとおなかの赤ちゃん双方を守るとされています。また、お母さんや赤ちゃんに何らかの重篤な合併症が発生したとする報告もありません。したがって日本においても、希望する妊婦さんはワクチンを接種することができます。妊婦健診は普段通り受けていただき、産婦人科施設以外で接種を受ける場合は、その前にかかりつけ医にワクチン接種の適否に関してご相談ください。
◆妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると、特に後期の感染ではわずかですが重症化しやすいとされています。
◆一般に、このワクチンを接種することのメリットが、デメリットを上回ると考えられていますので、特に感染の多い地域や感染のリスクの高い医療従事者等や、糖尿病、高血圧、気管支喘息などの基礎疾患を合併している方は、ぜひ接種をご検討ください。
◆副反応に関し、妊婦さんと一般の人に差はありませんが、発熱した場合には早めに解熱剤を服用するようにしてください。アセトアミノフェンは内服していただいて問題ありませんので頭痛がある場合も内服してください。

日本産科婦人科学会 木村 正

日本産婦人科医会 木下勝之

日本産婦人科感染症学会 山田秀人 

と、3学会連名で意見発表しています。

妊婦のかたは、ホームページで確認してみてください。

 

CDCのリアルワールドのデータです。

妊娠中の妊婦のCOVID-19ワクチン接種率— 2020年12月14日〜2021年5月8日、米国の8つの統合医療機関
毎週/ 2021年6月18日/ 70(24); 895–899

「 2020年12月14日から2021年5月8日までの間に、合計135,968人の妊婦が特定され、そのうち22,197人(16.3%)が妊娠中に1回以上のワクチン接種を受けていました。これらの135,968人の女性のうち、7,154人(5.3%)が開始し、15,043人(11人)が開始しました。妊娠中に予防接種を完了しました。妊娠中の1回以上のCOVID-19ワクチンの接種は、35〜49歳の女性で最も高く(22.7%)、18〜24歳の女性で最も低く(5.5%)、非ヒスパニック系アジア人(アジア人)でより高かった( 24.7%)および非ヒスパニック系白人(白人)の女性(19.7%)は、ヒスパニック系(11.9%)および非ヒスパニック系黒人(黒人)の女性(6.0%)よりも多い。
ワクチン接種の対象範囲は、おそらくワクチン接種の適格性が高まったために、分析期間中にすべての人種および民族グループの間で増加しました。
妊娠中の1回以上の接種率が最も高かったのは、ファイザー-バイオエヌテック(8.7%)で、次にモダニナ(7.0%)、ヤンセン(0.6%)ワクチンが続きました。妊娠中のCOVID-19ワクチンの1回以上の累積接種量は、2021年3月13日(これらのデータが最初にCDCに報告されたとき)以降、すべての妊婦およびすべての人種および民族グループで毎週増加しています。」

mRNAワクチンが主に接種されています。

妊婦さんは、主治医の先生とよく相談のうえ接種を考慮された方がよいと思います。

 

f:id:hiro_chinn:20210710082224p:plain