ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

パンデミックは終息か?

第8波もすっかり落ち着いてきているというより、年度代わりということもあって、まだパンデミック中であるということをすっかり忘れている今日この頃です。

最近の把握されている感染者数はどうなっているのでしょう。

https://covid19.mhlw.go.jp/  データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報- 2023年3月26日閲覧

『100年前のスペインかぜの流行は3年で落ち着いた、と言われています。

昨年11月6~13日(第八波が立ち上がり始めたころ)の国立感染症研究所による実際のSARS-CoV-2の感染を示す抗N蛋白質(N)抗体の調査〔献血時の検査用検体の残余血液を用いた新型コロナウイルスの抗体保有率実態調査(結果速報、概要)〕では、抗N抗体の保有率は26.5%とされており、日本の総人口1億2,300万人から換算すると感染者は3,260万人に相当します。

さらに、今年3月13日に厚生労働省厚生科学審議会感染症部会で報告された、同年2月19~27日の日本赤十字社における献血時の検査用検体の残余血液1万3,121人分を用いた抗N抗体の調査によると、保有率は42.3%でした〔厚生労働省厚生科学審議会感染症部会報告、第2回献血時の検査用検体の残余血液を用いた新型コロナウイルスの抗体保有率実態調査(結果速報、概要)〕。

これは、総人口1億2,300万人中5,200万人超が感染したという計算になります。今年2月27日時点のWHOの報告では、日本の感染者数は3,318万人とされているので、2,000万人近くの感染者が隠れていたことを示すと同時に、第八波では2,000万人以上が新たに感染したことを意味しています。第八波の規模は極めて大きかったのです。』

Medical Tribune
新型コロナ、第八波の急速減退の謎に迫る
続く第九波、第十波の到来はあるのか?

東北文化学園大学医療福祉学部抗感染症薬開発研究部門 特任教授/
公益財団法人宮城県結核予防会 理事長 渡辺 彰

そろそろ3年過ぎました。

SARS-CoV-2に対する集団免疫が成立し始め、さらにSARS-CoV-2自体も変異を繰り返し通常のかぜウイルスに近づいている現在、第七波や第八波を超える大きな流行が新たに起こるとは考えにくいと言われています。

 

このような状況を背景に厚労省は今後のワクチン接種スケジュールを発表しています。

12歳以上については、重症化リスクの高い高齢者(65歳以上)や基礎疾患を有する人、および医療従事者は、5月8日から、オミクロン株対応2価ワクチンの追加接種を開始します。年2回の接種が可能となります。高齢者は春~夏に1回、秋~冬に1回の接種が推奨されています。いずれの対象者も、最終接種からの接種間隔は少なくとも3ヵ月以上となります。

それ以外の12歳以上の者は、2022年度秋接種開始分のオミクロン株対応2価ワクチンの追加接種を5月7日に終了し、9月以降に、年1回の追加接種を再開します。使用するワクチンは再度検討される予定です。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/001068244.pdf 2023年3月26日閲覧


高齢者やハイリスク者、および医療従事者にとってはまだコロナが普通の風邪と同じとはとても考えられませんが、着実にそれに近つ″いてはいると思います。

5月の連休明けから我々整形外科も、インフルエンザと同様のコロナの診療開始に向けて準備を整えています。

筆者は、このパンデミックが始まった当初より感染状況のデータや文献など、コロナの動向に注意を払ってきましたが、新型コロナ感染症もやっと本当の意味で終息していくのでしょうか?