ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

男女平等を高めると、女性と男性の寿命が延びる

最近非常に忙しくて記事の更新ができていません。大変反省しております。

先週の日曜日も今日も河川敷に散歩に行ってきました。

先週スマホで撮ってきました写真をお出しします。

この早春の小さな青い花の名前は、オオイヌノフグリだそうです。ちょっと見た目の印象と名前が合いませんが、散歩中に偶然見つけてしばらく足を止めて見入ってしまいました。

又、早咲きの桜も満開でした。ここらでは安行桜という名前のようです。

どちらも1週間したらほとんど葉桜になってしまっていました。

ちなみに桜は雌雄同花といって1つの花に雄花(雄しべ)と雌花(雌しべ)があります。

ところで人において男女の関係性と寿命に関しての面白い論文があります。

PLOS Global Public Health
世界中の平均余命の男女差に関連する男女平等 男女平等と平均余命
アナ・カタリナ・ピニョ・ゴメス、サンネ・AE・ピーターズマーク・ウッドワード
公開日: 2023 年 3 月 6 日
https://doi.org/10.1371/journal.pgph.0001214

Pinho-Gomes氏らは、世界経済フォーラム(WEF)による、世界156カ国のグローバルジェンダーギャップ指数(GGGI)と平均寿命との関連を検討しました。

ジェンダーギャップ指数(The Global Gender Gap Index =GGGI)とは
男女格差の度合いを示す指数で、この数値を公表している世界経済フォーラム(WEF:本部をダボスに置くNGO)は、男女格差の無い社会がより社会を発展させるとの認識から、男女格差(ジェンダーギャップ)の解消を目指して、(1)男女格差を測定する指標を設定し、(2)それぞれの格差示す数値を出してこれを基に、(3)国別に順位をつける方式を開発しました。2006年以降、「ジェンダーギャップ指数(Global Gender Gap Index = GGGI)」として毎年その数値を公表してきました。
男女格差の指数(ジェンダーギャップ指数 GGGI)は、基本的には「女性÷男性」で計算され、男女の格差が無くなれば指数(スコア)は「1.000」に,格差が大きければ「0.000」に近づきます。男女の格差を測定するために、政治・経済・教育・健康の4つの分野を設定し、それをさらに分野毎に、2次指標(sub-index)を設定しています。政治は3、経済は5、教育は4、そして健康は2と合計14項目あります。その各々について、女性÷男性で指数を出し、その総合指数(スコア)をまとめて国の指数となります。

日本は、146か国中116位と最低クラスで、特に政治分野は139位で 前年ワースト10⇒ワースト8 とさらに低下しました。

この研究で分かったことは、

① 男女平等は女性と男性の両方の寿命を押し上げる。
② mGGGI が 10% 増加するごとに、女性の LE(出世時平均余命) が 4.3 か月増加し、男性の LE が 3.5 か月増加する。
③ 教育の平等は男女平等の最大の原動力であると思われ、高所得国では男性の平均余命をさらに押し上げる。

したがって、長年にわたるジェンダーの不平等に対処し、女性に力を与えることは、女性と男性の両方の寿命を延ばすのに役立つ可能性があります。

男女不平等社会の日本にあってジェンダーギャップの解消に努めることは、男女のさらなる平均余命の延伸につながり、日本においては逆に伸びしろが大きいといえます。