ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

5~11歳のコロナワクチン

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海外ではコロナワクチンの子供への接種を進めているようですが、日本では今どうすべきでしょうか。これに対する答えを岡部先生が明確に述べておられます。筆者も全く同意見です。

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5~11歳のコロナワクチン 日本ではどう考えたらいいの?
BuzzFeed Japan 11/24(水) 15:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ae3855eada2b21abe080707f04e621d94d24872

 

小児科医でもありワクチンにも詳しい新型コロナウイルス感染症対策分科会構成員で、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦さんに聞いた。※インタビューは11月15日に行い、その時点の情報に基づいている。

5~11歳の子どもは,接種をどう考えるか?

アメリカという環境で子どもを見る目と、日本という環境で子どもを見る目は違う。
米国でこれまでの子どもの感染者数は630万人、入院は2万4000人以上、うち3分の1は集中治療室での治療が必要でした。
アメリカでは、感染後、特に小児に起こる多系統炎症性症候群(MIS-C、色々な臓器が炎症をおこしてしまう症候群)を起こした子供(主に10歳以上)は5000人以上でした。死亡者は10月時点で約600名となっています。

一方、日本ではこれまでは大人の間での流行で、子どもの間で広がっているという状況ではありません。重症化している子どもも極めて稀です。亡くなった子どもは10代前半以前ではゼロです。MIS-Cはこれまでのところ20例前後の報告です。
日本で、今は一斉に子供にワクチン接種を、やるタイミングではないのではないかと思います。
しかし、持病を持っている場合などは、病気によっては感染した時のリスクは高くなります。そのような子どもに対しては、速やかに接種ができるようにしておくことは必要です。

集団接種ではなく個別接種で

ワクチンの導入にあたっては、稀な副反応が出てくる可能性はあるかもしれないし、Immunization stress related responses(ISRR、予防接種によるストレスに関する反応)の可能性もあり、集団ではなくて、かかりつけ医などに丁寧に説明してもらって、納得して受けた方がいいでしょう。

又、この年代の熱性けいれんの発症率は日本人の方が高いので、熱の出やすいワクチンを接種することについて、アメリカのデータを持ってきて日本で大丈夫だとは言えないと思います。このあたりは人種差を考慮する必要があります。

 

もし日本もアメリカのように5~11歳に対して接種を進めるようになったら、お父さんお母さんによく説明して納得を得る必要があるでしょう。

【新型コロナワクチン接種】5~11歳向けの接種が始まっても、46.3%が「接種させたくない」

日本トレンドリサーチ・新型コロナワクチンに関する調査
日本トレンドリサーチ2021年11月26日 09時00分

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000087626.html

 

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