最近デパートでのクラスターが頻発しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f184a37ca1d52e626a726bd1f44383629b66851
ウイルス量は1000倍!強敵デルタ株「空気感染」の脅威…梅田&新宿で百貨店従業員陽性ラッシュ 8/5(木) 14:40配信 日刊ゲンダイDIGITAL
昭和大医学部客員教授の二木芳人氏は、
「感染者数は地下1階が圧倒的に多い。地下は換気が十分ではないことがあり、エアロゾル感染が起きた可能性があります。」
と述べています。
デルタ株感染者がフロアに1人でもいれば、エアロゾルに乗ったウイルスがたちまち広がるのもうなずけます。エアロゾルは最大3時間程度、感染力を維持しながら空中を浮遊します。
デパートの地下で空気感染が起きている可能性があります。
デルタ変異株の出現によって感染対策が別のフェーズに入ってきたように思います。
筆者は以前より通勤電車内での感染を危惧してきましたが、これに関する日本の研究が出ています。
Environment International
Volume 157, December 2021, 106774
通勤電車でのCOVID-19の空気交換率の調査と空中感染リスクの評価
Naohide篠原ら
ハイライト
① 列車の窓を開ける面積が増えると、空気交換率が上昇しました。
② ドアが開いているときの方が閉じているときよりも空気交換率が1桁高かった。
③ 移動中の列車の空気交換率は、列車の速度が上がるにつれて増加しました。
④ 地上での運転中の空気交換率は、地下での運転中よりも低かった。
⑤ 電車内での通勤者の感染リスクは、窓を開けてAC /ファンをオンにすると91〜94%減少しました。
材料および方法
2020年の3つの期間(7月17〜19日、8月14〜16日、12月11〜13日)に、通勤電車(東京メトロシリーズ16000)の空気交換率を決定しました。各列車は10両で構成されていました。各車の総容積は107.1m 3で、54人の乗客用の座席、12個の窓を開けることができ、8個のドアがありました。エアコン(AC)の4つの吸気口は、ベンチの上の天井の両側に配置され、天井の両側に沿って出口が配置されます。
結論
静止試験中、鉄道車両の空気交換率は、窓の開口面積と強く相関し、屋内と屋外の温度差とは弱く相関していました。ドアが閉まっているときは、AC /ファンがオフのときよりもオンのときの方が空気交換率が高かった。ドアの開放が換気率の増加に大きな影響を与えることが観察された。動いている列車のテスト中、車の空気交換率は列車の速度と強く相関していました。窓を開けてAC /ファンをオンにすることで、電車内での通勤者の感染リスクを91〜94%減らすことができます。
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2020/nr20201203/nr20201203.html
発表・掲載日:2020/12/03
地下鉄車両の窓開けなどの換気の効果
できるだけ通勤電車内での感染を予防できるように工夫しているのが、よくわかりました。
しかし感染のフェーズが変わった今、ぜひ何とか前向きコホート研究で、通勤電車内での実際の感染者のデータを取っていただきたいと思います。
或いはこれも以前の記事で書かせていただいたように、感染者の病歴・通勤歴を詳しく聞き取りして、電車内での感染の有無を調べていただきたいと思います。
デルタ変異株による空気感染が疑われる現在、我々は飛沫感染より空気感染に最大限の注意を払わなければなりません。
その為には飲食店、ビル地下、などの建築物内、電車、航空機、バスなどの交通機関内の換気にとりわけ注意が必要です。
そしてマスクは N95 マスクがぜひ必要です。
N95マスクとは?
空気感染を起こす病原菌は、0.5μm以下の飛沫核となり空気中を浮遊します。
N95マスクは、最も捕集しにくいと言われる0.3μmの微粒子を95%以上捕集できることが確認されているマスクです。C D C も強く推奨しています。
ネットで少し値段が高いですが誰でも入手できます。
この暑苦しい夏 N 95 マスク着装は大変ですが、感染者・重症者が急増している40~50代の方は特にお考えいただいた方がいいと思います。筆者は当初から使用しています。
オリンピックは何とか開催できました。パラに出場予定の選手には気の毒ですが、中止にして国内の感染対策に注力するべきであると思います。