ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

スギ花粉症

少し気が早いかもしれませんが、年が明けるとまた花粉症の季節になります。

花粉症の原因となる花粉の飛散量は、季節や日によってだけでなく、1日のうちの時間帯によっても差があり、気温の上昇に伴い増加することが明らかにされました。

米Atlanta Allergy and Asthmaのアレルギー専門医であるStanley Fineman氏らによるこの研究結果は、米国アレルギー・喘息・免疫学会年次学術集会(ACAAI 2022、11月10~14日、米ルイビル)で発表されるとともに、「Annals of Allergy, Asthma & Immunology」11月号(増刊号)に掲載されました。

CareNet
1日のうちで花粉が多く飛散する時間帯が明らかに
公開日:2022/12/27

花粉飛散量は、午前4時から正午までの間は比較的少なく、午後2時から午後9時の間は多くなるとのことです。

Fineman氏は、「米国では温暖化傾向により、1年の中で花粉の飛散量が増える時期も早まりつつある。個人差はあるが、重度の花粉症の人が屋外で活動する場合には、午前中の早い時間帯にする方が良いだろう」と助言しています。

日本気象協会のホームページに掲載されていますが、来春の花粉の飛散は非常に多いそうです。

2023年 春の花粉飛散予測(第2報)
~2023年春の飛散量 前シーズンを大幅に超えるところが多い~2022年12月08日発表

https://tenki.jp/pollen/expectation/

◆飛散量は九州~東北で前シーズンより多く、特に四国・近畿・東海・関東甲信で非常に多い予想
◆飛散開始は例年並み。九州から関東で2月上旬からスタート
◆現地調査の結果、スギ花芽の着花量が多い

これに対し、花粉症治療の第一人者である大久保 公裕氏(日本医科大学大学院医学系研究科頭頸部感覚器科学分野 教授)は話されています。

「治療においては、重症花粉症の場合にはその時だけでも症状をゼロにできるような抗体療法もある。この抗体療法は日本でしか適用はないが、それだけ日本の花粉症は重症だということ。抗体療法を含めた治療選択肢をうまく組み合わせて治療を続けていくことが、ウィズコロナの時代においては大切。 また、花粉症の有病率は人口の 40%を超えることがわかっており、日本人1億2千万人のうち3~4千万人は花粉症になっている。その患者たちが症状を抑えることは、大きなCOVID-19対策にもなるでしょう。」

「症状があるのに何も治療しないで、くしゃみや鼻水、涙目、目のかゆみなどを放置していると、新型コロナウイルスをほかの人にうつす可能性も高くなるため、医療機関を受診してほしい。」とも話されています。

CareNet
花粉症シーズンで新型コロナの思わぬ流行が!?これを解決するには
公開日:2021/01/27

コロナ症状と花粉症の症状は区別がつきません。

ウィズコロナに向けて花粉症の治療も大切のようです。