オーストラリア・University of SydneyのEmmanuel Stamatakis氏らは、運動の習慣がないUK Biobank参加者2万5,000例超を対象に、手首装着型の加速度計のデータと約7年の追跡期間における死亡データを解析。その結果、非常に速く歩く、階段を上るなど、日常生活の一環として行われる断続的な高強度の身体活動(vigorous intermittent lifestyle physical activity;VILPA)を1回当たり1~2分間、1日3回行った者は、行わなかった者と比べて全死亡およびがんによる死亡リスクが38~40%、心血管疾患(CVD)による死亡リスクが48~49%低かったとNat Med(2022年12月8日オンライン版)に発表しました。Medical Tribune
https://medical-tribune.co.jp/news/2022/1220548529/
nature medicine
ウェアラブル デバイスで測定された活発で断続的なライフスタイルの身体活動と死亡率との関連
公開:2022 年 12 月 8 日
https://www.nature.com/articles/s41591-022-02100-x
運動の習慣がない人で、VILPAの実施時間はほぼ全てが1回1~2分(1分以下92.3%、2分以下97.7%)で、中央値で1日当たりの実施時間が4.4分、実施頻度が3回だったそうです。
1日3回の頻度で1回1分以下のVILPAを行わなかった者と比べて、行った者では全死亡で39% 、がん死亡で40%、CVD死亡で49%、それぞれリスクが低かった。同じ頻度で1回2分以下のVILPAによるリスク低下は、それぞれ38%、38%、48%だったそうです。
VILPA は、日常生活の一部として行われる短時間かつ散発的な (たとえば、最大 1 分または最大 2 分の長さの) 激しい強度の身体活動の発作を指します。たとえば、通勤中または移動中の非常に速い歩行などです。
余暇活動としての運動ではない高強度の身体活動を短時間行うだけで、全死亡、がん死亡、CVD死亡リスクが大幅に低下することが示されました。
筆者を含めて、40歳以上の成人の大部分は高強度の運動やスポーツを行っていません。
この研究は、日頃運動習慣のない我々にとって、非常に心強いデータです。
年末年始、運動が減って自宅でおいしいお料理を食べることが多くなります。ちょっと外出した時など速足で少し歩くだけで、健康にとって非常にいいんだとわかりました。少なくともそういう意識をもって生活することが、大変重要なのだと強く思いました。