ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

BA.5罹患

 

 

これは筆者の抗原検査の結果です。残念ながらCOVID-19に感染してしまいました。

そのせいで記事の更新ができませんでした。

 

ちょうどお盆休みの期間なのでか発熱外来の予約が取れず、やむおえず知り合いの先生に頼み込んで診ていただいて感染者登録をしてもらいました。その後はMy HER-SYSに登録して健康状態を入力したり、パルスオキシメーターをお借りしたりして、職場近くの仕事部屋で10日間自宅療養をして過ごしました。

確かにコロナは風邪ではありません。通常の風邪とは全く違う寒気と咽頭痛、高度の頭痛で発症し当初は頭痛が一番つらかったです。熱は、年のせいやワクチンの効果か37度台で経過し数日後から咳と痰が多くなってきて夜寝ていてもつらかったです。ただ運よく重症化せず通常の10日間療養で職場復帰できました。

いつものようにここで一つ論文をご紹介します。

2022 年8 月 17 日
最近のCOVID-19血清陽性の成人におけるSARS-CoV-2オミクロンバリアント感染の認識

JAMAネットオープン。2022;5(8):e2227241. doi:10.1001/jamanetworkopen.2022.27241
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2795246

概要

 SARS-CoV-2 Omicron バリアントに感染した一部の個人は、ウイルスが活発に伝染している間、自分の感染状態にまったく気づいていなかった可能性があります。

目的 
ロサンゼルス郡の多様で人口の多い都市部での最近の Omicron バリアントの急増中の個人間の感染状況の認識を調べること。

結論と関連性
この研究の結果は、最近オミクロン亜種に感染した成人の半数以上が自分の感染状態を認識しておらず、その認識は非従業員よりも医療従事者の方が高いが、全体的には依然として低いことを示唆しています。無意識は、コミュニティ内での急速な人から人への感染に関連する非常に一般的な要因である可能性があります。

・血清学的にオミクロン株感染が確認された210人(年齢中央値[範囲]:51[23~84]歳、女性:65%)のうち、44%(92人)が感染を認識しており、56%(118人)が認識していませんでした。
・認識していない人のうち10%(12人/118人)が何らかの症状があったが、その原因は風邪や新型コロナウイルス以外の感染症であると回答しました。
・人口統計学的および臨床的特徴を考慮した多変量解析では、医療従事者は非医療従事者よりもオミクロン株感染を認識している可能性が高いという結果でした(調整オッズ比:2.46、95%信頼区間:1.30~4.65)。

これらの結果から、著者らは「オミクロン株感染の認識率の低さが地域社会における急速な伝播の要因である可能性が示唆される」と考察しています。

仕事柄やむおえませんが、昨今の医療従事者の感染拡大やクラスター発生は、こういうことも一因しているものと思われます。従来の変異株より今のオミクロン株とりわけBA.5は感染力・伝搬力が相当強いものと思われます。

とにもかくにも周りの方々のおかげで、重症化リスクの多い筆者も無事生還できました。この場を借りて皆様にお礼を申し上げたいと思います。