ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

BA.2

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日本において今後オミクロン株の亜種BA.2が増加してくる可能性があります。

日本の研究者は、動物実験でのBA.2の研究結果を発表しました。

bioRxiv
SARS-CoV-2BA.2バリアントのウイルス学的特徴
doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.14.480335
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.02.14.480335v1

研究者たちはハムスターをBA.1とBA.2に感染させました。BA.2に感染したハムスターは、肺の損傷が増え、体重が減り、病気になりました。マウスがBA.1とBA.2に感染した場合の結果は同様でした。「ハムスターを使った感染実験は、BA.2がBA.1よりも病原性が高いことを示している」と研究は述べました。

「要約すると、私たちのデータは、BA.2が世界の健康にとって最も懸念される変種である可能性を示唆している」と研究者らは書いています。「現在、BA.2とBA.1の両方が一緒にオミクロンとして認識されており、これらはほとんど区別できません。私たちの調査結果に基づいて、BA.2は懸念のユニークなバリアントとして認識されるべきであり、このSARS-CoV-2バリアントは徹底的に監視する必要があります。」

と主張しました。

しかしながら南アフリカの臨床データでは、

medRxiv
南アフリカのBA.1と比較したオミクロン亜系統BA.2の臨床的重症度
doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.17.22271030
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.02.17.22271030v1

「2022年1月末までに、ほとんどのCOVID-19感染はBA.2によるものでした」と、南アフリカ国立伝染病研究所(ハウテン)のニコール・ウォルター博士は述べています。「BA.2に感染した個人は入院するリスクが高くないことがわかりました」と彼女は言いました。
BA.2は一部の設定ではBA.1よりも競争上の優位性があるかもしれませんが、病気の臨床プロファイルは同じままです」と研究者らは結論付けました。

 

またさらにBA.1に感染した個人は、その後ごくまれにしかBA.2に再感染しないとのことです。

medRxiv
オミクロンBA.1感染とそれに続くBA.2再感染の発生と重要性
doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.19.22271112
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.02.19.22271112v1

 

今後の日本での臨床データに注意する必要がありますが、現時点ではあまり心配しなくて良さそうです。