日本においての子供へのワクチン接種に関してはいろいろ議論があります。現在の子供へのワクチン接種の可否に関しての判断材料として、海外の論文を調べてみました。
原著
BNT162b2小児および青年におけるオミクロン変異体に対する保護
2022年3月30日 DOI：10.1056 / NEJMoa2202826https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2202826?query=featured_coronavirus
メソッド
2021年7月1日から2022年2月17日までの期間
12歳から18歳で、デルタ期（684例）またはオミクロン期（234例）に入院した918例の患者と1357例の対照患者が含まれていました。
5歳から11歳の子供である267人の症例患者と270人の対照患者を登録しました。これらはすべてオミクロン期間中に入院しました。結果
COVID-19症例の臨床的重症度
全体で1185例の患者のうち、291人（25％）がクリティカルなCovid-19に感染し、そのうち14人が死亡しました。12〜18歳の918例の患者のうち、249例（27％）が体外式膜型人工肺を受けた22例（2％）と死亡した13例（1％）を含むクリティカルなCovid-19を持っていました。
Covid-19の5〜11歳の267人の子供のうち、42人（16％）が体外式膜型人工肺を受けた2人の患者と1人が死亡した患者を含む重大なCovid-19を持っていました。デルタおよびオミクロン変異体の循環中のワクチン有効性
デルタ期間とオミクロン期間を合わせたワクチン有効性は、12〜15歳の患者のグループと16〜18歳の患者のグループで類似していた（83％[95％CI、77〜88]およびそれぞれ82％[95％CI、74から88]）。
12〜18歳の青年におけるCovid-19関連の入院に対する有効性は、オミクロン期間よりもデルタ期間の方が高かった（92％[95％CI、89〜95]対40％[95％CI、9〜 60]）。
5〜11歳の子供では、ワクチン有効性は、オミクロン期間中のCovid-19関連の入院に対して68％（95％CI、42〜82）でした。
デルタ期間中、12〜18歳の青年におけるクリティカルCovid-19に対するワクチン有効性は96％（95％CI、90〜98）でしたが、入院なしの入院に対するワクチン有効性は91％（95％CI、86〜94）でした。討論
12〜18歳の青年を対象とした分析では、米国でのデルタバリアント循環の期間中に、Covid-19の入院に対する2回のBNT162b2ワクチン接種からの保護の低下が6か月以上見られませんでした。
対照的に、オミクロン期間中は有効性が低下しました。
私たちの研究は、子供と青年のデルタとオミクロンの亜種に関連する最も重症の病気の予防におけるワクチン接種の利点についての強力な証拠を提供します。オミクロン期間中、12〜18歳の青年のワクチン保護は、非重症疾患（20％）よりも重症疾患（79％）に対して高かった。
Covid-19の入院に対するBNT162b2の2回投与の有効性は、12〜18歳の青年のデルタ期間よりもオミクロン期間の方が低かったが、ワクチン接種は両方の期間でほとんどの生命を脅かすCovid-19を防いだ。ワクチン接種はまた、オミクロン期間中に5〜11歳の子供たちのCovid-19による入院のリスクを3分の2減少させ、重要なCovid-19を持つほとんどの子供たちはワクチン接種を受けていませんでした。
ワクチン接種推進論です。
COVID-19 SARS-CoV-2 preprints from medRxiv and bioRxiv
オミクロン変異体の出現後のニューヨークの5〜11歳と12〜17歳の子供におけるBNT162b2ワクチンの有効性
doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.25.22271454概要
参加者
ニューヨーク州の5〜17歳の子供。結果
2021年12月13日から2022年1月30日まで、12〜17歳の完全ワクチン接種を受けた852,384人の子供と5〜11歳の365,502人の子供。
12～17歳の発症予防効果は、オミクロン出現後66％から51％に低下。5～11歳は、68％から12％に低下しました。
入院に対する予防効果は、12〜17歳の子供では85％から73％に、5～11歳では、100％から48％に低下しました。
12〜17歳の子供に対する完全ワクチン接種から2週間以内の症例に対するワクチンの効果は76％、28〜34日までに56％でした。5〜11歳の子供では、発症予防効果は28〜34日までに65％から12％に低下しました。結論
オミクロン時代には、BNT162b2の発症に対する有効性は、特に5〜11歳の子供にとって急速に低下しました。ただし、5〜11歳の子供の予防接種は重度の病気を予防するものであり、推奨されています。これらの結果は、子供のための代替ワクチン投与を研究する潜在的な必要性と、感染と感染を防ぐためのマスク着用を含む継続的な重要性の層状保護を強調しています。
この2つの論文はワクチンの有効性のみに注目しています。その弊害には全く言及していません。
オミクロン株になり子供へのワクチンの有効性は、かなり低下しています。
その時の優勢株によって、少しずつ考え方が変わってくるかもしれません。
現時点では、11歳以下のワクチン接種はそれ以上の年代の子供と比べ有効性が低いといえるかと思います。
しかも現在は、オミクロン株の感染が子どもの間でも広がっている一方、上記のようにオミクロン株に対してワクチンの感染を防ぐ効果は下がっているほか、日本では重症化する子どもが少ない状態が続いています。
又子供を除くほかの家族がワクチン接種することで、子供の感染がかなり予防されるというデータもあり、今は積極的に子供にワクチン接種を推奨する根拠はあまりないように思います。
