ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

日本におけるSARS-CoV-2スーパースプレッダーの特徴

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Medical Tribune
新型コロナ「スーパースプレッダー」の特徴
基礎疾患を3つ以上保有する患者ではウイルス量が87倍
2022年01月19日 18:26

ウイルスコピー数が多く新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の強い感染力を有する"スーパースプレッダー"の特徴について、東京医科歯科大学大学院国際健康推進医学分野教授の藤原武男氏と同大学病院救急救命センターなどの共同研究グループが明らかにしたと発表した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査に基づくウイルスコピー数と基礎疾患との関係を調べた結果、基礎疾患を3つ以上保有している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者では基礎疾患がない患者に対しウイルス量が87倍と、スーパースプレッダーになりうることを見いだした。

基礎疾患のないCOVID-19患者に比べ糖尿病がある患者ではウイルスコピー数は17.8倍(95%CI 1.4~223.9倍)、RA患者では1,659.6倍(同1.4~204万1,737.9倍)、脳梗塞患者では234.4倍(同2.2~2万5,704.0倍)と顕著にウイルスコピー数が多かった。また、これら3疾患に限らず、3つ以上の基礎疾患が併存している患者では、ウイルスコピー数が87.1倍(95%CI 5.5~1,380.1倍)だった。

これらの結果を踏まえ、藤原氏は「今回の研究から、SARS-CoV-2感染例におけるスーパースプレッダーの特徴が明らかになり、院内での二次感染拡大を抑制できる可能性が示された」と結論。その上で、「特に、感染を広げる原因となりうるスーパースプレッダーを基礎疾患や入院時の血液検査のデータから特定すれば、臨床医は個室に患者を隔離し院内感染を防ぐための注意喚起を行うなど、感染管理措置を行うことが可能になる」と期待を寄せている。

Journal of Infection
編集部へのお便り
日本におけるSARS-CoV-2スーパースプレッダーの特徴

https://www.journalofinfection.com/action/showPdf?pii=S0163-4453%2821%2900656-3

糖尿病患者では、Hba1cなどの違いでコピー数が違うか、RAでは活動性、治療薬剤での違いがあるかなども知りたかったと思います。

 

スーパースプレッダーに対して従来の物理的な側面ではなくて、新しい側面よりアプローチした研究でした。入院管理時に特別な対応をすることにより、院内感染をできるだけ防止できるという大きな意味があると思います。

このようなコロナ病棟の医療従事者の方たちの献身的な努力に、政治家も官僚も報いるべきでしょう。

 

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