ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

医療探知犬

皆さんおはようございます。今日は12月31日。今年も個人的にはいろいろなことがありました。健康上では、新型コロナに感染しました。時期的にBA5だったと思います。幸い軽症で経過して後遺症もなくきれいに治りました。

皆さんはどんな年でしたか?

筆者は来年、仕事上や個人的にも大きな変化の年になりそうです。健康に留意し、周囲の人たちの協力を得て乗り切っていこうと思っています。肩の力を抜いて。

 

いつものことですが、休みの日に限って早く目が覚めます。しかしこの時間は、集中してブログがたくさん書けて有用な時間でもあります。

来年も医療ブログをたくさん書いて、時間があれば皆さんにお読みいただければと思っております。来年もよろしくお願いいたします。

さて今日はいつもその身体的能力の高さで驚かされる”犬”についてです。

BMJジャーナル
集団スクリーニングイベントのコンテキストにおける SARS-CoV-2 感染のイヌのリアルタイム検出
https://gh.bmj.com/content/7/11/e010276.long

Medical Tribune
におい探知犬のコロナ判別能はWHO基準超え
2022年12月28日 17:04
https://medical-tribune.co.jp/news/2022/1228548678/

鋭い嗅覚を生かし、がんなどの疾患の有無を嗅ぎ分ける医療探知犬は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の有無を判別できることが報告されています。ドイツ・University of Veterinary Medicine HannoverのNele A. ten Hagen氏らは、SARS-CoV-2のスクリーニング検査における医療探知犬の有用性について、8匹の医療探知犬を対象に2,802例の検体を用いて検討しました。その結果、特異度99.9%、感度81.6%と、世界保健機関(WHO)の推進基準を超える診断精度だったことから、「医療探知犬は信頼性の高いSARS-CoV-2のスクリーニングツールになりうる」とBMJ Glob Health(2022; 7: e010276)に報告しました。

ten Hagen氏らは、訓練された医療探知犬8匹を対象に2021年9~10月に4回にわたる大規模なスクリーニング検査を実施、SARS-CoV-2判別能を評価しました。
スクリーニングには、18歳以上の計2,802例(男性1,058例、女性1,616例、不明128例:1回目466例、2回目640例、3回目678例、4回目1,018例)の検体を用いました。
参加者にコットンで両肘窩を拭いてもらい汗の検体を採集。スクリーニングは2匹の医療探知犬が行い、2匹とも陽性と判定した場合を陽性、それ以外の場合は陰性としました。
医療探知犬によるSARS-CoV-2陽性の判別能は、感度81.58%、特異度99.93%(同99.74~99.99)で、医療探知犬の診断一致率は全体で99.68%でした。
以上から、医療探知犬はSARS-CoV-2の大規模スクリーニングにおいて、高い判別能を有することが示されました。

今回の結果について、ten Hagen氏らは「医療探知犬によるスクリーニング検査で達成された感度と特異度は、WHOとドイツ・Paul Ehrlich Institutが推奨するPOCT検査の基準である特異度97%以上、感度80%以上を超えている。SARS-CoV-2のマススクリーニングにおいて、医療探知犬を用いた検査は信頼性の高い手法となりうる」と結論しています。

しかも検出の時間効率も高く、1 匹の犬が 40 ~ 60 秒かけて、40 個のサンプルを並べて嗅ぎましたが、 40 サンプルの パフォーマンスに、約 3 分しかかからなかったということです。

また犬のパフォーマンスは、参加者のワクチン接種状況、病気と投薬歴、以前の SARS-CoV-2 感染の影響を受けなかったということです。

この研究は、SARS-CoV-2 検出犬が、コンサートなどの公開イベントでの SARS-CoV-2 感染の大規模なスクリーニングにおいて、高い診断感度と特異度を達成できることを実証しました。

8 匹の犬 (3 匹の雌と 5 匹の雄) がこの研究に含まれていました。
犬種は、ラブラドール レトリバー (n=2)、マリノア (n=3)、ジャーマン シェパード (n=1)、ジャーマン シェパード ミックス (n=1)、シェパード ミックス (n=1) です。年齢は 2 歳から 10 歳の範囲でした。

また改めて犬の能力に驚かされました。