筆者の周辺でも新型コロナウイルス感染症にり患したり、濃厚接触者になったりする場合が少しずつ出ており、療養解除について1回まとめておきたいと思います。
1)感染者の場合
https://www.mhlw.go.jp/content/000814817.pdf 2022年4月10日閲覧
2)濃厚接触者の場合
さらに同居家族の濃厚接触者の待機期間の見直しが厚労省よりの通達で変更になっています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000895943.pdf 2022年4月10日閲覧
上記で抗原定性検査キットというのが出てきます。
これに関する研究を一つご紹介します。
2022年3月 18日
職場環境における無症候性の個人における単一対反復迅速SARS-CoV-2抗原検査の有効性の比較
JAMA Netw Open. 2022;5(3):e223073. doi:10.1001/jamanetworkopen.2022.3073
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2790263序章
迅速抗原検査は、無症候性の患者をスクリーニングする際の感度と特異性が低いと批判されてきましたが、スクリーニングのためのこれらの検査の有用性に関してはまだ知識のギャップが残っています。メソッド
訓練を受けた担当者が中膜鼻スワブ検体の抗原検査を実施しました。 :97.6%; NPA:96.6%)、およびBinaxNow(Abbott)(PPA:84.6%; NPA:98.5%)
鼻腔スワブ検体は、Cepheid GeneXpert RT-qPCRアッセイを使用した確認用RT-qPCRテストのために、Clinical LaboratoryImprovementAmendments認定ラボにも送られました。結果
合計179,127人の参加者がテストを受け、分析に含まれました。年齢の中央値は36歳(範囲、18〜65歳)でした。58%が男性、36%が女性、6%が性別不明でした。623の合計陽性テスト結果のうち、238(38%)が真陽性であり、385(62%)がRT-qPCRによって偽陽性であることが確認されました。陽性結果を示した623の検査のうち、569(91%)の後に2回目の迅速抗原検査が行われました。一致した結果が得られた224セットのテスト(2つの別々であるが連続した抗原テストで陽性の結果)のうち、RT-qPCRの結果は207(92%)で陽性でした。最初の抗原検査の結果が陽性で、2番目の抗原検査の結果が陰性の場合(n = 345)、RT-qPCRの結果は328(95%)で陰性でした。2回目の抗原検査の全体的な推定精度は94%でした。
討論
この研究の結果は、従業員スクリーニングプログラムの参加者に迅速抗原検査を繰り返し提供した場合、SARS-CoV-2のRT-qPCRによって決定された真陽性の結果について、推定精度が38%から92%に増加したことを示しました。
コミュニティの感染率が高いほど、テスト結果はより正確であるように見えたため、事前テストの確率が高くなりました。2回目の抗原検査の診断値は、検査前の確率に関係なく高いままでした。
繰り返し実施することにより抗原検査の精度が上昇することは、以前の研究でもわかっていましたが、今回の研究はサンプルサイズが大きく信頼性の高い研究であると思われます。
このような知見に基づいて、今回の厚労省の改定になったものと思います。