過去の記事でも書かせていただきましたが、今回もウイグル問題の続きです。
ウイグル弾圧、習主席らの関与示す「新疆文書」が流出
12/1(水) 13:11配信 BBC News
https://news.yahoo.co.jp/articles/6b116ad23fcbd15ecab628287747bb20d7e39937習近平国家主席をはじめとする中国の指導者たちが、同国の少数民族ウイグル族の弾圧に関与していることを示す文書の写しが、このほど新たに公表された。
この文書は、ウイグル族に対する人権侵害を調べているイギリスの独立民衆法廷「ウイグル法廷」に9月に提出されたもの。
■「新疆文書」
習主席や李克強首相ら中国共産党の指導者たちが、ウイグル族や中国のほかのイスラム教徒に影響を及ぼす政策に直接つながる発言をしていたとしている。
こうした政策には強制収容や大規模な不妊手術、強制的な中国への同化、「再教育」、拘束したウイグル族を工場で強制労働させることなどが含まれる。
中国のウイグル族に対するジェノサイド(集団虐殺)の続報です。
また同日、同じBBCよりこんな記事も。
海外で逮捕の台湾人600人超、中国へ強制送還=人権団体報告書 12/1(水) 17:18配信 BBC News
https://news.yahoo.co.jp/articles/f64cb0b8ea7c87e7b8523f40ba9c8fe2ccfdaaa92016~2019年の間に海外で逮捕された台湾人600人以上が、中国に強制送還されていたとする報告書を、人権団体が11月30日に発表した。
スペインを拠点とする人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は報告書で、こうした送還が「台湾の主権を弱めるための道具として利用されている」と指摘している。
強制送還が「海外での中国政府の影響力を強めるために利用されている」とし、中国がこれらの台湾人を「追いつめている」と非難した。
中国政府は、人間に対するあらゆる人権侵害を実行しているようです。
ところでここで一度「ウイグル問題」についておさらいしておきたいと思います。
【ウイグル自治区では1000万人以上の市民が、街のいたるところに設置された監視カメラで常に見張られている。突然やってきた警官に連行され収監。さまざまな拷問を受け、二度と帰らない罪なき人々。強制労働、不妊手術、臓器を取られる子どもたち……今、ウイグルで何が起きているのか? こうしている間にも、非道な弾圧を受ける理由は何なのか?
扶桑社から9月21日(火)に発売となった書籍『ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実─』では、その実態を紹介している。】
ウイグルは上記の位置にあります。
5分でわかる新疆ウイグル自治区の歴史!独立運動や弾圧などわかりやすく解説
ホンシェルジュ https://honcierge.jp/articles/shelf_story/8760
新疆ウイグル自治区は、1955年に設立された中国最大の自治区です。その広さは日本の国土面積の4倍以上にあたる約165万平方km。首都はウルムチで、中国西部最大の都市です。
場所は中国の最西端にあり、インド、パキスタン、アフガニスタン、タジキスタン、キルギス、カザフスタン、ロシア、モンゴルの8ヶ国と国境を接していて、中国国内では甘粛省、青海省、西蔵自治区と隣接しています。もともとは、自治区の名称にもなっているウイグル族が多数住んでいましたが、1954年以降、漢民族の大量流入が起こり、人口が2400万人ほどに増加。その約4割を漢民族が占めています。
新疆ウイグル自治区のある場所は、古代から「西域」と呼ばれていました。
隋、漢、唐の時代には中国王朝の支配下に組み込まれ、8世紀から9世紀にはウイグル族によるウイグル帝国が興り、13世紀にはモンゴル帝国が、17世紀末にはジュンガル族がこの地を支配しました。18世紀後半に、中国の清朝とジュンガルが戦った「清・ジュンガル戦争」の結果、清朝が支配しました。
1949年、「国共内戦」にともなう中国共産党人民解放軍の侵攻で降伏。新しく成立した中華人民共和国の支配下になり、1955年に新疆ウイグル自治区が設立されました。新疆ウイグル自治区では、1957年の「反右派闘争」によって多くの指導者が粛清され、また1958年からおこなわれた「大躍進政策」の失敗によって多くの餓死者が出る事態になります。
さらに1964年からは、中国の核実験場として用いられるようになり、合計46回の核実験によって放射能汚染が発生。住民への健康被害や農作物への影響が懸念され、1966年の「文化大革命」では紅衛兵によってモスクが破壊され、イスラム教の宗教指導者が迫害を受け、1967年には紅衛兵同士の武装闘争にウイグル族ら少数民族が駆り出されるなど、新疆ウイグル自治区の社会情勢は大きく混乱しました。
これを受けてウイグル族の間には反漢感情が巻き起こり、1980年代には一触即発の状況になりました。
2003年になると、高等教育の場において少数民族固有の言語を使用することを禁止し、漢語に統一するなど、ウイグル族をはじめとする少数民族への締め付けを強くします。
このような弾圧に対してウイグル族の不満が高まり、2009年に「ウイグル騒乱」が起こりました。ウルムチ市内でウイグル族と武装警察が衝突する事態に発展しました。中国政府の発表では、死者197人のうちほとんどが漢民族とされています。しかし事件後に、1万人以上のウイグル族が行方不明になっていることが判明。現在もその真相は明らかになっていません。
1989年の「天安門事件」と同じ構図です。中国政府によるウイグル族への弾圧は、中国政府の報道統制もあり、なかなか国外に情報が出ません。ようやく近年になって徐々にその実態が明らかになり、国際社会に大きな衝撃を与えています。なかでも特に注目されているのが、「強制収容所」と「PUBF」です。
新疆ウイグル自治区内に500ヶ所以上あるとされる強制収容所には、現在100万人以上のウイグル族が収容されているといわれています。ウイグル族の人口が約1000万人なので、およそ1割が収容されている計算です。
彼らが強制収容所に入れられる際の罪は、「ウイグル族であること」。収容所内では拷問を受け、イスラム教徒であるにもかかわらず豚肉を食べることを強要され、共産党政権を讃える歌を歌わされるそう。また女性に対する性暴力があるという報告もあがっています。また、強制収容所とともに実態が明らかになりつつあるのが「PUBF」です。これは「Pair Up and Become Family」の略称で、「ペアを組んで家族になる」という意味。
夫が強制収容所に入れられて妻や子どもだけが残ったウイグル族の家庭に、共産党員である漢民族の男性を送り込むというもので、2017年頃から実行されているといわれています。
ある意味ナチスのジェノサイドよりひどいものです。
こんな状況の中、岸田政権の外交姿勢が明らかになってきました。こともあろうにです。
大混乱の岸田政権に米は“見限り寸前” 韓国・文政権のような「二股外交」にしっぺ返し…就任2カ月経っても訪米日程決まらず
12/4(土) 17:00配信 夕刊フジ
https://news.yahoo.co.jp/articles/afe64c8ef494e4cb833e9e9bf98acd683984c50e岸田文雄政権下で、日米同盟が揺らいでいる。ジョー・バイデン大統領との日米首脳会談を行うために調整していた岸田首相の訪米日程が決まらないのだ。政界屈指の「親中派」である林芳正外相の言動に加え、岸田首相自身が、バイデン大統領による北京冬季五輪の「外交的ボイコット」検討に異を唱えるような発信をした影響が指摘される。
日本の外交・安全保障の基軸である日米同盟をどうするつもりなのか。まさか、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権のような「米中二股外交」を模索しているのか。
「米中二股外交」で岸田政権“大失態”か 林外相自ら訪中要請公表…訪中すれば米国反感、しなければ中国侮辱
11/29(月) 16:56配信 夕刊フジ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5391bf8adf5c87e449f84e7113338abcb23da96a岸田文雄政権の外交姿勢に不信感が高まっている。欧米諸国が、中国当局によるウイグルや香港での人権弾圧を受けて、北京冬季五輪の「外交的ボイコット」を検討するなか、政界屈指の「親中派」とされる林芳正外相が、中国の王毅国務委員兼外相による訪中招待を公表し、前向きに反応したのだ。
林氏は21日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」や、BS朝日の「激論!クロスファイア」で、中国から訪中要請されたことを明らかにした。林氏は18日、中国の王毅外相と電話会談した。外務省はその際、中国からの訪中打診を公表していなかったが、大臣自ら語ってしまった。
公表していなければ、行かなかったところで、波風は立たない。だが、公表した後で行かなかったら、大臣が意図して「中国の顔に泥を塗った」も同然になるからだ。
沖縄県・尖閣諸島周辺での度重なる挑発は言うに及ばず、中国海軍艦艇は17日、4年ぶりに鹿児島県の屋久島周辺で領海侵入した。中国とロシアの爆撃機4機も19日、日本周辺の上空を飛行している。
さすが親中派ぞろいのお公家集団の面々です。国益もまともに考えられない連中です。
オーストラリアより日本のほうが、やはり危機的状況だったということです。
最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。