コロナワクチン接種が高齢者から順次若い年齢層に及んでいる今日、小学生やそれ以下の小児へのワクチン接種が議論されています。
過去にこれに関しての記事を書かせていただきましたが、その後の見解です。
The Lancet Journal
教育とメンタルヘルス:子供に予防接種をする正当な理由
公開日:2021年7月14日DOI:https ://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)01453-7
成人へのワクチン接種が進むことでCOVID-19の感染流行は抑えられるものの、ワクチン忌避者や抗体価の低下によって、COVID-19を根絶することは難しいとし、今後も散発的な発生や時折の大流行という形で存続する可能性がある、としました。それを踏まえ、子供の臨床試験でワクチンの有用性が明らかになれば、子供たちへのワクチン接種を義務付けることが重要であるとしています。
そして、小児にワクチンが必要な10の根拠を示しています。
最終的に必須の小児SARS-Cov-2免疫化の理論的根拠
1.まれですが、重度のCOVIDは、MIS-Cおよび肺疾患の形で子供に発生します。
2.子供は感染し、親、教師、その他の子供に感染する可能性のあるウイルスを排出します。
3.小児感染症は無症候性であることが多いため、他の予防策では不十分です。
4.菌株の変化が長期的な免疫力を低下させる場合、子供は少なくとも感染または再ワクチン接種への反応を加速するための準備が整います。
5.高いカバレッジと、場合によっては集団免疫に到達するには、子供のワクチン接種が必要になります。
6.ウイルスの突然変異は、英国のもののように、子供たちにより容易に広がる変種を生み出しています。
7.小児ワクチン接種プログラムは、感染症の軽減において大きな進歩を遂げたという点で、国際的に非常に成功した実績があります。
8. SARS-CoV-2に対する世界的な免疫を確実にするための実用的な道となる、小児免疫のための十分に発達した国際的なインフラストラクチャーがあります。
9.教師に予防接種を行った後、小児科の予防接種は学校の開校をさらに加速し、子供たちの幸福と親の仕事の生産性の鍵となる活動を正常化します。
10.他のワクチンの場合と同様に、子供の義務的な予防接種は、厳密に自発的な予防接種とは対照的に、高い適用範囲を保証します。
SARS-CoV-2感染の年齢と小児の家庭内感染の関連
JAMA小児科 リサーチ 2021年8月16日
この論文の中で、
『 0〜3歳の子供は、14〜17歳の子供と比較してSARS-CoV-2を家庭の他の家族に感染させる確率が最も高かった。
4〜8歳および9〜13歳の子供も感染のオッズが増加した。』と述べています。
この論文は、2020年6月1日から12月31日までの間のデータですから、調べますとコロナウイルスは従来株と思われます。つまり世界的に猛威を振るっているデルタ株は、より若年者への感染が主になっており、子供自身の保護のためにもワクチン接種が是非必要になります。
小児の年齢層による感染力の違いは、家庭内の感染予防管理、および家庭の二次感染のリスクを最小限に抑えるための学校/保育に影響を及ぼします。子供は大人ほど頻繁に感染を伝播するようには見えませんが、介護者は家庭環境で病気の子供を世話する際に感染のリスクを認識している必要があります。
つまり、小児感染者の早期検査と世帯規模/混雑の縮小が、子供による二次世帯感染を最小限に抑えるための有用な戦略である可能性を示唆しています。
また、小児は家庭内感染においても重要な役割を果たしており、小児へのワクチン接種の必要性を支持する理由の一つであると思われます。
恐らく今後インフルエンザと同様にコロナワクチンも小児に対して広く実施されていくものと思われます。この時いち早く海外のデータを入手して日本の指針にする必要があります。
また色々論文をご紹介していきたいと思っております。
大谷がカブレラの息子4人と写った実際の写真
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