ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

感染者急増

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昨今のコロナ感染者の急増に関して、一医療者として心配しております。

もちろん安心できないし、悲観する必要もないかもしれません。

とにかく世界の今のデータを見てみましょう。

 

感染者数

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死亡者数

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上のグラフは、英国、イスラエル、アメリカ、日本の最近のコロナによる感染者数と死亡者数です。

英国の感染者数の急増が際立っています。しかし死亡者数は、今のところほとんど増加してはいません。この傾向はイスラエルも日本も同様です。

 

ワクチン接種率(少なくとも1回接種受けた人の割合)

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入院患者数

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ICU患者数

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デルタ株の割合

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入院患者数やICU患者数(重症者数)は増加しつつあります。しかし決して感染者数ほどではありません。またデルタ変異株が予想通り大多数を占めています。

ここで気が付くのは、周回遅れといわれていた日本のワクチン接種がかなり盛り返しているということと、英国もイスラエルもアメリカもデルタ変異株が主流であるということです。そして日本も。

たとえワクチンによって重症化率・致死率が減ってきても、感染者総数が増えれば重症者数・死亡者数も増えていきます。特に日本のように病床数に制限がある場合は、英国やアメリカと違って感染者数の増加に対しての許容量は低いでしょう。

我が国の総理大臣は英国の例を持ち出して、感染者数の増加に対して楽観視しているような発言をしたようですが、果たしてどうでしょう。

 

 

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html

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日本は急速に接種率を増加させていますが、それは政権のおかげではなく、むしろワクチン供給不足の失態を演じてさえいます。ワクチン接種に関しては、自治体や現場の医療機関の努力のたまものであると思います。方向性がはっきりわかれば国民一致協力して行動できるのが日本人の特性です。

しかし入院病床の確保の問題をある程度解決しないとワクチン接種だけでは、医療崩壊は免れないと筆者は思います。

秋の総選挙・総裁選に向けて、支持率低下でけつに火のついた政権は、ワクチン接種率のアップを第一課題としたようです。ワクチンの重要性はとっくに国民には分かっていたことです。色々なことはできないでしょうから、とにかくワクチン接種だけは、ちゃんとやってほしいものです。

これまでの政権・与党の政策や言動を見て、秋の選挙で我々国民の意見を結果に着実に反映させなければいけません。

 

最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。

 

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