ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

COVID援助詐欺

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米国の医療情報サイト WebMDHealth NewsによりますとCOVID-19給付金詐欺が80億ドルを超えているとのことです。

 

ニュース> WebMDHealth News
司法省によると、80億ドルを超えるCOVID援助詐欺が発見された
2022年3月14日  https://www.medscape.com/viewarticle/970191

米国司法省は、80億ドルを超える連邦COVID-19援助に関連するさまざまな詐欺および犯罪活動を特定した、と同省は木曜日に発表しました。
これまでのところ、連邦検察官は、11億ドルを超える不正損失に関連して、1,000件を超える刑事訴訟を起こし、10億ドルを超える経済的傷害災害ローンの収益を差し押さえています。さらに、60億ドルを超えるパンデミック救済ローンに関連する1,800人の人々または組織に対して民事訴訟が提起されています。

先月、ブルックリンのギャングの11人のメンバーと仲間が、失業手当で400万ドル以上を請求するために800人の身元を盗んだ罪で起訴されたと報道機関が報じました。裁判所の文書には、現金の山を持ってポーズをとっている彼らの写真が示されていました。

 

The United States Department of Justice
JUSTICE NEWS
司法省  広報室  2022年3月10日木曜日

司法省がCOVID-19詐欺執行のディレクターを発表
パンデミック救済における80億ドル以上に関連する詐欺を主張する刑事および民事執行措置
https://www.justice.gov/opa/pr/justice-department-announces-director-covid-19-fraud-enforcement

さすがにアメリカは、スケールが違います。

日本では、どうなっているのでしょう?

経済産業省
持続化給付金の不正受給者の認定及び公表について
https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka_fusei_nintei.html

中小企業庁は、持続化給付金を不正に受給した者として1104者を認定するとともに、持続化給付金給付規程第10条第2項第2号の規定に基づき公表しました。
(3月17日時点、不正受給総額11億1057万3000円)
1104者のうち、876者は、不正受給金額(総額8億8158万5000円)に加え、20%の加算金及び年率3%の延滞金の全額を国庫に納付済みです。

日本人はアメリカ人と比べると、少しは倫理観・道徳心が強いといえるでしょうか?

それとも監督官庁の見落としが多いのでしょうか?

朝日新聞デジタル記事
コロナ給付金、不正受給は9億円超 返還拒めば名前や所在地の公表も
https://www.asahi.com/articles/ASPDP4JWSPDPUTIL00N.html

経済産業省の元職員2人のほかにも、公務員やメディア関係者が詐取したケースがあった。
9月には警視庁の巡査部長が妻の職業を偽って100万円を受給したとして書類送検されたほか、大阪国税局OBや独立行政法人国立印刷局職員も詐欺容疑で逮捕された。

沖縄タイムス社社員は、100万円を不正受給し執行猶予付きの有罪判決を受けた。学生や主婦が事業実態がないのに、個人事業主を装って確定申告書を偽造する例もあった。
こうした経緯を踏まえ、同省は今年3月に始めた「一時支援金」では、税理士などが申請書類を確認する仕組みを導入した。不正受給は大幅に減ったという。

倫理観の欠如、捜査・摘発方法の不備、両方のようです。

性悪説に基づいて制度設計をする必要がとっくにあるということでしょう。