ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

反ワクチン報道

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医療が医療従事者と患者の共同作業として定着し、それが社会的に認知されるためには、医療に関連する様々な知識や医療の現状が常識として広く社会に共有されることが重要です。そのために、医師は医学や病気に関する専門的知識のみならず、現在の医療制度や医療が置かれている状況について、様々な形で社会に対して教育啓蒙活動を行う必要があります。

また高度に発達した情報社会の中にあって報道機関の役割もますます重要となっており、医師はこうした分野の人々と協力して、各メディアを通じて患者をはじめ社会一般の人たちに正しい医療情報を提供することが非常に大切です。

医師が医学的知識を公衆に対し伝達し説明する際には、学問的に十分な根拠を持った代表的意見を提供するよう努めるべきであると思いますし、その発言は品位を持って行われなければなりません。自己宣伝は厳に慎まなければなりません。

最近のメディアの記事を見ていますとこの未曽有の感染症の救世主となりうるワクチンに対して、医者でありながら全く根拠のない個人的な反対意見を掲載したり、科学的に大きく間違った内容の報道が目につくようになりました。

私が色々論文をご紹介しているのは、我々の世界で十分根拠を持った意見というのは、その多くが学術論文だからです。一般の方々は取捨選択がむつかしいと思いますが、どうか医学・医療の報道に出会ったら、それに十分な根拠があるかどうか吟味するようにしてください。

医師は、医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くすとともに、個々の患者さんに対する診療行為にとどまらず、医学及び医療の専門知識を有するものとして、地域住民全体の健康や地域における公衆衛生の向上・増進に協力し、国民の健康な生活を確保するという重い責任を負っています。

現在、医師会は、ワクチン接種に向けて急ピッチで体制作りを国に協力して行っているようです。私も積極的にかかわっていくつもりです。

news.yahoo.co.jp

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