2019年12月8日に武漢市内で原因不明の肺炎が発生し、その後27人の患者が発生したと、中国が W H O を通して発表したのは、ちょうど一年前の12月31日でした。 なぜかその後中国政府は、発生源の第三者調査を求めたオーストラリアに猛反発し、同国産牛肉や大麦などの輸入を制限する報復処置を発動。 W H O が夏に中国に派遣した調査チームの武漢入りも認めませんでした。
我々がすごく不思議に思うのは、当初世界はこの未曽有の感染症の責任をどこかにとらせようとは主張しませんでしたが、異様に中国は敏感になっていたように見えます。
今までいろいろな説が出ています。まあ当然かもしれませんが、中国は、ほかの国に責任を押し付けているものばかりです。
① 中国武漢の海鮮市場から
これが一番多数を占める意見の一つだと思います。
② 冷凍食品による流入説
昨年11月「人民日報」を通して中国が主張。「感染者が冷凍海産品エリアに集中していた」という調査結果が唐突に発表されました。
③ アメリカ軍持ち込み説
2019年10月18日~27日まで「世界軍人運動会」が武漢で開かれており、この時アメリカ軍人がウイルスを持ち込んだというものです。
ほかにも、他国に責任を転嫁する風説は、色々とあります。
④ 中国科学院武漢病毒研究所由来説
これが一番信ぴょう性のある説だと思います。ウイルスのずさんな取り扱いの多かった中国に対して、フランスがバイオセーフティーレベルを向上させるための設備や、必要な専門技術を提供しつつありましたが、関係悪化に伴い、代わって自国内のウイルス研究を多額の資金とともに 、N I H から武漢研究所に外部委託したのは、他ならないオバマ政権下のアメリカです。 ですから S A R S -C o V -2 が武漢研究所から流出したという疑惑に関して、実情を最も把握しているのは、武漢研究所の研究者や米国の共同研究者のはずです。
W H O のピーター・べンエンバレク氏は「新型コロナウイルスに最も近いのは、2013年に中国雲南省のコウモリが生息する洞窟で発見されたウイルスだ。」と述べています。(12月8日 N H K とのインタビューより)
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで遺伝子を研究するフランソワ・バルー氏も、「新型コロナウイルスに最も近似するウイルス株が中国のコウモリを介して広がったという強力な科学的根拠があり、起源は中国の可能性が最も高い」と主張しています。(11月29日付 ロイター)
武漢ウイルス研究所でも自国内のウイルスを収集していたはずですし、このウイルスが何かの間違いで、市場に流出してしまったと考えるのが、実は一番考えやすいのではないかと考えます。(これは想像ですが、例えば発症しなかった実験動物を市場に横流しするとかで)
W H O は10人の専門家によるチームを、年明けに中国に派遣すると昨年末に発表していますし、ドイツもロベルト・コッホ研究所の専門家を中国に派遣し、武漢で実地調査を始めると報道されています。
しかし一年以上経って、証拠がもう残っていない現地に、何度行っても証拠は見つからず、武漢は原因ではないという結論しか出てこないでしょう。中国には極めて都合の良い結果に終わるのは、今から目に見えています。
世の中のシステムとして何か重大な事件・事故が起きた時、情報提供者は免責にして未来志向で情報を多く集め、再発防止に努めるということが行われますが、政治体制が違うと、こういうことは通用しないのだとよくわかりました。このままでは中国は、「異質の国」のままで終わるでしょう。
ただ昨年の N H K の番組内でも伝えていたように、ネットに残っている事実を解析すると、かなり究明できると思います。(しかしこれも状況証拠に近いかもしれませんが。)
恐らく、私の疑問は、完全には晴れないでしょう。
コロナによる悲劇は進行中です。もう一度身を引きしめて、感染防御を継続しなくてはいけないと思います。
いつもお忙しい中、最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。