ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

パルスオキシメーター

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今回は、アフィリエイトの一環として物販をしようとしているわけでは、ありません。

最近マスコミにも時々登場しているので、皆さんもご存じかもしれませんが、パルスオキシメーターという医療機器があります。指先に装着して動脈血の酸素飽和度が簡便に計測できます。 私が医者になった約40年前は直接大腿動脈や橈骨動脈に針を刺し、1mlほど採血しアストラップ微量血液分析装置(”アストラップ”と呼んでいました)に入れ Pao2, Paco2, PH、HCO3、BEなどを測定した記憶があります。当時は心臓の術後の患者さんを受け持っていて I C U で頻回に測定したことが昨日のことのように思い出されます。 新型コロナウイルス感染症において肺炎を起こし、重篤化して亡くなっていく病態がよく知られていますが、この時低酸素状態になっても息苦しさを感じず知らないうちに重篤化していく「happy hypoxia」もよく知られています。 これに関しては、筒井先生が、雑誌で詳しく述べておられます。

news.yahoo.co.jp

現在の首都圏においてコロナに感染したら、恐らく高齢者であっても自宅療養となるであろうことを考えれば、その間の重症化に関しては、私を含め皆さんの最大関心事項であろうと思います。

この時個人用のパルスオキシメーターがあれば、かなり安心につながるものと思います。(ただし医療機関用のものとは分けて販売・購入していただくとありがたいですが)

購入されたら、日頃のご自身の SpO2 を測って把握しておく必要があります。正常値は96~100%で、90%以下は低酸素血症の状態です。

一般にPaCO2が一定であれば、PaO2が90mmHgから60mmHgに下がっても、息苦しさを半分の人は感じず、PaCO2の影響の方が大きいことがわかっています。コロナによる肺炎では、肺の末梢でCO2は拡散するがO2が血流に取り込みにくい状態になるようです。これがhappy hypoxiaの原因であるという研究者もいます。

とにかく、重症化率が跳ね上がる60歳以上の高齢者は、パルスオキシメーターを有効に活用すべきであると思います。

コロナ早期、人道上と称して自治体・政府所有のマスクや感染防護具を、中国に譲り渡しておいて肝心の自国民に対しては、使えないマスクを多額の税金を使って時季外れに配る政治家などはもうあてにせず、できるだけ人との接触を避けるなど自己防衛を強化するしかないのではないでしょうか。

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