ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

骨粗鬆症2

 

 医療機関とは

 治療の開始基準

 治療薬

 

医療機関とは  

 

常日頃、私が強く思っていることは、医療機関とは良質な医療サービスを提供する所であるということです。

別の言葉で言うと、客観的に妥当性のある医学的診療と、患者さん側に一定の満足感がなければ、良質とはいえないであろうと考えます。

その為には、医師の豊富な医学上の知識経験と、他の職員たちの患者ファーストの気持ちが、強く求められるんだと考えます。

 

今まで高齢者と整形外科診療について書いてきましたが、今回は宿題の骨粗鬆症の治療に関して書かせて頂きたいと思います。

要介護、寝たきりの3大原因の一つが、骨折転倒、関節疾患。

さらにその原因は、おおむね骨粗鬆症であります。

日本国内の骨粗鬆症患者の推計は約1280万人、うち女性が980万人、男性が300万人程度と言われています。

女性は閉経、男性は過剰な飲酒、喫煙、糖尿病、腎不全などの内科疾患によるものが多いようです。

高齢者の骨折は、とにかくご本人も、ご家族も大変な状況になり、予後も大変悪いですから、無症状のうちか最初の骨折を発症してからでも、確実に薬物治療を始めるべきです。

55歳以上の女性、65歳以上の男性は、骨密度検査であるDEXA法を受け 、BMD (Bone Mineral Density) が YAM (Young Adult Mean) の70%以下なら、骨粗鬆症として治療開始すべきです。

 

治療の開始基準

 

原発性(他に原因となる病気がないもの)と、続発性(他に原因となる病気があるもの)で、少し違います。

 

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 上記の表は、原発骨粗鬆症フローチャートですが、大腿骨近位部骨折か椎体骨折があれば、即薬物治療。

その他の脆弱性骨折があり、BMDがYAMの80%以下なら治療。脆弱性骨折がなくても、70%以下なら治療開始です。

 続発性骨粗鬆症の開始基準は少々複雑ですが、ステロイド骨粗鬆症以外は、明確な基準はまだありません。少なくとも原発性に準じてよいものと思います。

 

治療薬

 

治療薬を下の表に示しました。

 

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骨密度上昇作用や骨折予防効果から見て、よく使われるのは、アレンドロン酸、リセドロン酸、デスノマブであります。前2者は、内服薬であり後者も6か月に1回の注射剤です。ただ3剤とも顎骨壊死や非定型骨折(大腿骨の転子下が骨折を起こしやすくなるという副作用)の問題があります。

副甲状腺ホルモン薬は骨密度上昇効果は一番強いのですが、高価で特有の副作用があったり、非椎体骨折や大腿骨近位部骨折への予防効果が不透明であったりして、第一選択にはしにくいところがあります。

医師は、上記の薬からその人に合った薬を(可能なら採決データを見てから)選択します。その後定期的に概ね4~6か月おきに骨密度検査、採血などを実施し経過を見ていきます。もちろん目標は骨折予防です。ですから、食事や運動なども非常に大切です。

 

20歳前後に人々は、最大骨量に達します。故に若い頃からのカルシウム分の多い食事、継続的な運動、喫煙せず飲酒もほどほどにの、生活習慣が非常に大切であると思います。

 

皆さんも一度、骨密度検査を受けてみて下さい。

 

 

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