ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

テレワークによって増えた肩こり

テレワークにより女性も男性も肩こり、腰痛、精神的ストレスが増えているようです。

整形外科に行ってください

肩こりの種類

肩こりの治療







テレワークにより女性も男性も肩こり、腰痛、精神的ストレスが増えているそうです。


 恐らく、自宅では食卓テーブルなどに向かったり、床に座って PC を操作するためだと思われます。
 この中の肩こり(頸部痛、肩痛、項部痛、)は、整形外科の外来に来られる女性の第一位、男性の第二位の訴えになります。
ですからきちんとした理解が必要になります。
まず患者さんとしては、軽微なものはそのまま様子を見るか、薬局で湿布などを購入し使用してみることと思います。
しかしそれなりに日常生活上の支障が出るようなら、整形外科か、もしかして整骨院鍼灸院などに行かれるかもしれません。


整形外科に行ってください


肩こりの原因疾患の中に red flag と言って直ちに対処しなければいけない疾患が含まれる為、整形外科に行かれるべきと考えます。
Red flag としては,脊髄腫瘍、転移性脊椎腫瘍、化膿性脊椎炎などがあり、安静時痛(体動時痛と対比され、静かにしていても痛みが出現する)
を特徴とします。このような症状がある場合は、すぐ整形外科に行って下さい。


肩こりの種類


近年のスマートフォンの普及、コンピューター業務によるうつむき姿勢時間の増加などで、首への負担が多くなり発症するものと思われます。
見上げる姿勢や上肢を挙上している時間が長い場合も発症しやすいです。
肩こりの原因となる疾患はたくさんあります。これは2つに分けられ
1)機能的障害
いわゆる肩こりです。肩周辺の筋肉、僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、頸部筋群が緊張し肩甲上角部(肩甲骨の頭側部)に痛みやだるさが出現するものです。
この原因は、①不良姿勢 ②同一姿勢の継続 ③運動不足 ④眼精疲労 ⑤ストレス などです。



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2)器質的疾患
整形外科では、頸椎疾患、肩関節疾患が多いです。その他肺疾患、心疾患、脳、耳鼻科、眼科、歯科などからの肩こりもあります。
この原因としては、変形性頚椎症や椎間板症などの頸椎疾患や肩関節周囲炎や腱板断裂などの肩関節疾患が多くを占めます。


肩こりの治療


いわゆる肩こりに対しては、パソコン業務やテレビゲーム時に背中を丸めた姿勢を極力取らず、定期的にゆっくりと背伸びをしたり、肩関節を回したりの体操をまめにしたり、血流を促したりリラックスの目的で風呂に入ったり、頭部や顔のマッサージをしたり、運動不足の人は軽いジョギングやウオーキングをするなどして自分なりの改善方法を見つけることが大切だと思います。
器質的疾患に対しては、整形外科に行ってレントゲンや MRI , CT などの検査を受け疾患別に適切な、薬物、リハビリ、ブロック注射などを
受けてください。


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肩こり体操は、検索されるとすぐ出てきますので、是非ご自身にあったものを見つけて、実践してみてください。
繰り返しますが、困ったときはお近くの整形外科を受診して下さい。いい先生ならかかりつけ医にして下さい。




参考文献
1)松浦恒明:肩こりの治療、今日の整形外科治療指針:395-397、医学書院、2016.
2)安部洋一郎:頚肩腕症候群(肩こりを含む)、今日の治療指針:1095、医学書院、2019.