ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

感染者激減の理由

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今現在も、新型コロナウイルス感染者数が低いレベルで推移しています。

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今回の記事も激減の理由に関してです。今回の説が本当ならもう2度と感染の大きな波は起きないと断言されています。

 

「激減した理由すら説明できないのはおかしい」現役医師が痛感した"コロナ専門家"の無責任ぶり
プレジデントオンライン2021年11月10日11時15分
医師 大和田 潔(おおわだ・きよし) 
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/president/bizskills/president_51698?page=1

<抜粋>

日本で被害が少ない理由は、守ってくれている“何か”があるからに違いありません。私は2つ要因を考えています。ウイルス側の要因と、ホストのわたしたち側の要因です。

ウイルス側の要因;日本人のほとんどは、子供の頃から季節性コロナウイルスに暴露されてきました。もともとコロナウイルスは変異しにくく、インフルエンザの10分の1程度です。
コロナウイルスは、nsp14というウイルス自身の遺伝子修復を行う部位を持っていてあまり変化しません。
季節性コロナウイルスの感染でも、ある程度の免疫を発揮したのではないでしょうか。

ホスト側の私たちの要因;一度入り込んだ外敵を排除する免疫システムとともにウイルスに対抗する手段も持っています。それが、APOBEC(アポベック;apolipoprotein B mRNA editing enzyme, catalytic polypeptide-like)というヒトの細胞内にある酵素です。ウイルスが侵入すると細胞は危険信号のサイトカインを発します。サイトカインで誘導される酵素の一つです。ウイルスの遺伝子に変異を起こして、エラーを起こさせウイルスを自滅させる働きを持ちます。国立遺伝学研究所と新潟大のチームから、日本人をはじめとしたアジア・オセアニアに酵素活性が強い人が多いことが報告されました。コロナウイルスの遺伝子にエラーを起こして、コロナが遺伝子を修復できないようにしていたようなのです。
中国周辺国や中東などの地域では、昔から動物由来のコロナウイルス感染にさらされてきたわけです。コロナウイルスのエラーを引き起こすAPOBEC酵素活性が強く病気に強い人が淘汰されてきたと考えると自然です。
私は、このような地政学的な理由から、季節性コロナウイルスによる免疫やAPOBEC活性によって日本の流行被害は小さくなったのではと考えています。

日本のコロナウイルスの激減の理由は、「自粛の成果」や「若者に危機意識が浸透したから」ではないと思っています。専門家は最後まで行動変容を呼びかけてきましたが、目の前で起きている激減を説明できていません。以前の記事で「陽性者急減の理由も(専門家には)わかっていない」と書いたのはそのためです。

人間が有している検出系も知識も未熟です。そういう自覚をもって、生物や自然界に起きている物事を謙虚に観察して考察することが必要だと思っています。

 

起きた現象の原因を見つけるのはある程度可能でも、これから起こることを正確に予測することは、至難の業です。

我々医者はその仕事の性格上、悪いことが起こる可能性を想定して行動していきます。

第5波収束が綺麗に減少したところだけを見ると成功のように思ってしまいますが、そこに至る前に、いつになく大きな流行のために特に東京圏を中心に重症者・死亡者が増加したことを忘れてはいけません。また大きな流行はコロナ後遺症を抱えた人を増やすことにもなりました。ワクチンという大きな武器ができ、治療薬の開発も進んで、パンデミックを乗り越えるための道筋は見えつつあります。

今後も気を緩めずに個人でできる感染予防法を、気長に続けていく必要があると思います。

本日も最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。

 

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