前稿に続いてゼロコロナ・ウィズコロナについてもう少し考えてみたいと思います。
果たしてゼロコロナは実現できるのでしょうか?
まず次期冬期オリンピックが開催される中国はどうでしょうか。
「ゼロコロナ」の呪縛から逃れられるか
中国の政策に見るナショナリズムの変化
2021年10月22日 business leaders square wisdom
https://wisdom.nec.com/ja/series/tanaka/2021102501/index.html
中国では政府の厳格な移動制限などの措置によって、2020年半ばには国内の新規感染がほぼ抑え込まれ、事実上「ゼロコロナ」に近い状況が実現した。
状況が大きく変わったのはデルタ株出現以降のことだ。7月20日、江蘇省南京市の空港職員9人の感染が確認され、同市はただちに800万人の市民にPCR検査ならびに抗原検査を実施、184人の陽性者が確認された。さらに同月末までに四川省瀘州(ろしゅう)市など8つの省、22の市で感染者が発生、9月には福建省での厦門市、莆田市、泉州市などで470人の陽性者が確認された。これまでにデルタ株の感染者は計1000人を超えるとみられる。
しかしある高官が、「一部の専門家は、米国、英国などの対策はオープンなもので、隔離中心の我が国のやり方は閉鎖的だとの発言をした。西側諸国は何の目算もなく制限措置を解除したり緩和したりして自らの統治能力を誇示しようとしている。これは人々の健康を考慮した措置とは言えず、米国や英国の統治制度の欠陥がもたらした、誤った政策である」と発言した。
西側諸国の政治体制の不備を指摘し、ゼロコロナ状態の死守こそが正しい道だと改めて強く宣言した形だ。厳格な隔離体制をより強化するため、中国政府は広東省の国際空港近くで5000室という巨大な隔離施設を建設、9月下旬に運用を開始した。
一方中国産ワクチンの効果について、中国政府は表立っては口にしないものの、効果の限界は認識しており、全幅の信頼を置けずにいるとの見方がある。
こうした懸念もあってか、中国政府は現在、中国製mRNAワクチンの開発を急いでいる。夏季と冬季、両オリンピックを開催する世界初の都市となる北京市としては、大国の威信にかけても大会を成功させなければならない。2020年の東京大会が1年延期のすえ、無観客開催という変則的な形になったことから、北京での大会を完璧な形で成功させれば、国家としての力量を高らかに示せるとの思惑もある。
中国の当局が自国のコロナ対策の有効性を強調し、諸外国の政府の対応をネガティブに伝えてきたことで、国民の間には、自国への誇りと安心感が芽生えたと同時に、有効な対策を取り得ない諸外国に対して一種の優越感、時には哀れみ、嘲笑に近い視線が生まれている。昨今の西側諸国との政治的、経済的な対立を背景に、国内にはナショナリズム的な気分が高まり、一部には外国人忌避のムードすら芽生えつつある。この点は非常に気がかりである。
中国の共産党政権はコロナ対策において、科学的判断以外の根拠で対策を考えているようです。あくまでゼロコロナを目指すようです。
コロナ発生国である中国がアフターコロナでも世界に迷惑をかけないよう、他国の沿岸に軍艦を派遣などしないよう願うばかりです。
ニュージーランドはどうでしょう。
CNN ニュージーランド、「コロナゼロ」戦略を断念 共生に転換へ
2021.10.05 Tue posted at 18:45 JSTニュージーランドのアーダーン首相は4日、新型コロナウイルス感染症を封じ込めて感染をゼロに抑える戦略を断念し、ウイルスとの共生を図る流れを加速させる方針を明らかにした。
同国でこれまでに確認された感染者は4409人、死者は27人。他国に比べると格段に少ないが、8月以降にデルタ変異株の感染が拡大し、最大都市オークランドではロックダウン(都市封鎖)措置が1カ月半も続いている。5日にはオークランドを中心に24人の新規感染者が報告された。アーダーン氏は4日の会見で「私たちはこれまで流行をほぼ抑えることができていたが、今回の流行とデルタ株から分かる通り、感染をゼロに戻すことは非常に難しい」と指摘。長期にわたり厳しく行動を制限しても、感染の十分な減少には至っていないと強調した。
シンガポールもウィズコロナを断念しました。
接種完了率8割超でも感染急増、98%は軽症で「コロナと共存」方針の国
2021/10/09 07:06
https://www.yomiuri.co.jp/world/20211009-OYT1T50009/2/新型コロナウイルスのワクチン接種完了率が8割超のシンガポールで、感染が急拡大している。市民に対する行動規制が緩和されたためとされる。政府は、感染者が重症化していないことを踏まえ、ウイルスと共存する「ウィズコロナ」の方針を打ち出し、厳しい規制に頼らない構えを示している。
シンガポールでは6日、1日当たりの新規感染者数が過去最多の3577人に達した。今年以降は2桁前後と抑え込んでいたが、8月末から急増し、9月中旬に1000人を突破。9月の死者数は全死者数の約3割となる40人に上った。その後も感染増が続いている。
シンガポールでは政府が米ファイザー製とモデルナ製ワクチンの接種を促進し、6日現在、接種完了率は83%とアジアで最も高い。
感染急拡大は、ワクチン接種完了率が8割を超えることを見越した政府が8月上旬、5人以内の会食や結婚式など集会への参加を接種完了者に認めたことが原因とされている。実際に感染者の多くが、会食や集会に参加したことを認めている。
感染拡大が続く中、政府はウィズコロナの重要性を訴えている。
シンガポールの状況を見ていると、日本が今後どんなにワクチン接種率が増加しようと
ゼロコロナは絶対に無理であると思えます。
ウィズコロナ社会へ向かう途中でロックダウンや強い規制を手段として使うだけなのでしょう。
日本では衆議院議員総選挙の真っただ中、確か以前立憲民主党からこんな重要な提言が出されました。
立憲民主党のzeroコロナ戦略
https://cdp-japan.jp/covid-19/zero-covid-strategy
立憲民主党「zero コロナ」戦略(改訂版)
2021年2月25日 2021年6月10日改訂 立憲民主党政務調査会 立憲民主党 新型コロナウイルス対策本部立憲民主党は本年2月に zero コロナ戦略を策定しました。これは、感染防止対策と医療支援、そして生活者・事業者支援を集中的に展開し、感染拡大の波を十分に収束させ、その状態を継続させることで感染を封じ込め、通常に近い生活・経済活動を早期に取り戻す戦略です。
立憲民主党は国民のいのちと暮らしを守るため、引き続き、「zero コロナ」戦略の完全実施を政府に強く求めます。
この中で目指す国を台湾、オーストラリア、ニュージーランドとしています。
オーストラリア、ニュージーランドはすでにウィズコロナに舵を切っています。
基本的に鎖国してコロナをゼロにしても永久に厳格な入国制限を続けることはできません。しかし立憲民主党は明らかな間違いを未だに訂正していません。
日本にとってこれから大切なことは、3回目のワクチン接種を確実に実行することと、規制緩和を感染状況を見ながら的確に急がず実施していくことであると思います。
最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。