ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

子供とCOVID-19ワクチン

f:id:hiro_chinn:20210425134335p:plain

 

 COVID-19において高リスク群である高齢者、妊婦にひき続き子供は、どうなっているのでしょう?

今まで高齢者、妊婦は、記事にさせていただきました。

 

drhirochinn.work

drhirochinn.work

drhirochinn.work

drhirochinn.work

drhirochinn.work

 

小児ではどうでしょう。

 

1) 2021年4月 23日
子供のサイレントCOVID-19感染のシミュレーションによる識別とワクチン接種による将来の感染率の推定

セイイェド・M・モガダス博士1; ミーガンC.フィッツパトリック博士2,3; Affan Shoukat、PhD3; et alケビン・チャン、MD4; アリソン・P・ガルバニ博士3
著者所属 記事情報
JAMAネットワークオープン。2021; 4(4):e217097。doi:10.1001 / jamanetworkopen.2021.7097

重要性: COVID-19感染のかなりの割合が、感染の前症候性および無症候性の段階で静かに発生します。子供はサイレント感染の重要な推進力ですが、現在のCOVID-19ワクチン接種キャンペーンには含まれていません。

目的: 予防接種の代用として、子供たちの間でサイレント感染を特定することの利点を推定すること。
結論と関連性:  米国の合成集団を対象としたこのシミュレーションモデリング研究では、子供がワクチンを入手できない場合、この年齢層のサイレントCOVID-19感染を迅速に特定するための的を絞ったアプローチにより、疾病負荷が大幅に軽減されると推定されました。これらの発見は、サイレント感染による感染連鎖を遮断する手段がなければ、成人のワクチン接種が短期的に発生を封じ込める可能性は低いことを示唆しています。

もし小児に対してワクチン接種ができないのであれば、P C R 検査を小児に集中的に実施して、陽性者を隔離していく必要があるといっています。

 

2)ニュース
Covid-19:ファイザーは12〜15歳の子供に100%のワクチン有効性を報告しています
BMJ 2021 ; 373 doi:https ://doi.org/10.1136/bmj.n881(2021年4月1日公開)

 Pfizer-BioNTech covid-19ワクチンは、第III相試験の予備結果で、12〜15歳のSARS-CoV-2に対して100%の有効性を示しました。第III相試験には、米国の2260人の子供が含まれていました。プラセボ群(n = 1129)では、合計18例のcovid-19が観察されましたが、ワクチン接種群(n = 1131)では報告されませんでした。ワクチンはまた、強力な抗体反応を誘発し、忍容性が高く、副作用は16〜25歳の参加者で観察されたものと一致していました。
米国国立アレルギー感染症研究所の所長であるアンソニー・ファウチ氏は、全米の高校生は秋にワクチンを接種できるはずだと語りました。

6ヶ月から11歳の子供を対象としたワクチン試験も開始され、最初の健康な子供は先週ワクチンを接種されました。この研究では、5〜11歳、2〜5歳、および6か月〜2歳の3つの年齢グループで、ワクチンの安全性、耐容性、および免疫原性(2回投与、21日間隔)を評価します。

 

第3相試験まではかなりの有効性が確認されていて、副作用も多くないようです。

1)の論文で小児の感染のコントロールが集団免疫獲得にとってかなり重要であるということがわかっています。

臨床試験もだんだん低年齢へと進んでいって、恐らくそのうちにすべての年齢で、終了すると思われます。

新型コロナウイルス感染症において、日本では、ワクチン接種のスピードとコロナ弱者への臨床試験を迅速に実施することが、唯一コロナ死亡を一人でも減らすことにつながる対策のようです。

f:id:hiro_chinn:20210425134540p:plain