ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

年齢65歳以上の再感染防御率

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The Lancet Journal

ARTICLES| VOLUME 397, ISSUE 10280, P1204-1212, MARCH 27, 2021Assessment of protection against reinfection with SARS-CoV-2 among 4 million PCR-tested individuals in Denmark in 2020: a population-level observational study

Christian Holm Hansen, PhD †Daniela Michlmayr, PhD †Sophie Madeleine Gubbels, MDProf Kåre Mølbak, DMScProf Steen Ethelberg, PhDShow footnotes

Published:March 17, 2021DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00575-4

2020年にデンマークでPCR検査を受けた400万人の個人におけるSARS-CoV-2による再感染に対する保護の評価:人口レベルの観察研究

 

概要

バックグラウンド

SARS-CoV-2による感染が、その後の再感染に対する防御をもたらす程度は十分に説明されていません。2020年、デンマークの大規模な無料のPCRテスト戦略の一環として、約400万人(人口の69%)が1,000万回のテストを受けました。2020年からのこれらの全国的なPCRテストデータを使用して、SARS-CoV-2による反復感染に対する保護を推定しました。

結果

年齢65歳以上の再感染防御率は47.1%(95%CI:24.7~62.8)と、他の年齢層(0~34歳82.7%、35~49歳80.1%、50~64歳81.3%)に比べて低かった(p<0.0001)。一方、性別(男性78.4%[95%CI:72.1~83.2]vs.女性79.1%[73.9~83.3])および感染後の経過期間別(3~6ヵ月79.3% vs.≧7ヵ月77.7%)の再感染防御率には有意な差はなかった。

これらの知見は、人口のどの層にワクチンを接種すべきかの判断に有益な可能性があり、とくに自然の防御能が低下している高齢の人々においては、既感染者への接種の重要性を提唱するものであると考察しています。

 

日本において、 医療従事者の後の高齢者へのワクチン接種(感染の既往にかかわらず)は、この観点からも合理的であると思います。 

 

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