ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

イスラエルでのワクチン接種

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BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting
List of authors.
Noa Dagan, M.D., Noam Barda, M.D., Eldad Kepten, Ph.D., Oren Miron, M.A., Shay Perchik, M.A., Mark A. Katz, M.D., Miguel A. Hernán, M.D., Marc Lipsitch, D.Phil., Ben Reis, Ph.D., and Ran D. Balicer, M.D.

 

The New England Journal of Medicineに、新型コロナウイルス感染症のワクチン(BNT162b2)の有効性を調査した論文が、2月24日(現地時間)付で公開されました。

ワクチン接種先進国イスラエルの待ちに待ったデータです。

 

drhirochinn.work

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2020年12月20日から2021年2月1日までの期間に新たに予防接種を受けたすべての人は、人口統計学的および臨床的特徴に従って1:1の比率で予防接種を受けていない対照と照合されました。 

各グループのサンプルサイズは59万6,618。

最初の投与後14日から20日および2回目の投与後7日以上での研究結果に対する推定ワクチン有効性は次のとおりでした

感染について、46%(95%信頼区間[CI]、40から51)および92%(95%CI、88〜95); 症候性Covid-19の場合、57%(95%CI、50〜63)および94%(95%CI、87〜98); 入院の場合、74%(95%CI、56から86)および87%(95%CI、55から100)。重度の疾患の場合、それぞれ62%(95%CI、39〜80)および92%(95%CI、75〜100)。Covid-19による死亡を予防する効果の推定値は、初回投与後14日から20日で72%(95%CI、19から100)でした。

 どの値も非常に優秀ですが、とりわけ筆者が注目するのは、感染自体を予防できること、しかも2回接種すると92%も。

我々が接種を控えているのは、この優秀なワクチンです。

 

マスコミの報道によると、イスラエルは、トップ自ら早くからファイザー社と交渉を重ね、ワクチンの大量入手に成功したとのことです。

遺伝子解析などから一説には、ユダヤ人と日本人は祖先が同じといわれます。半分戦時下にある国と比べられないかもしれませんが、イスラエルの政治家と私利私欲しか眼中にないように見える日本の政治家を比べると、とても同じ源流のようには思えません。

 

非常に優秀なワクチンのようですが、国民に回ってくるのは先のまた先でしょう。

ワクチン接種に関係なく一番大切なのは、いつも申しあげますが、感染防御の習慣です。やけを起こさず、根気強く続けていくしかありません。