JAMAでのオンライン公開です。
米国食品医薬品局(FDA)は、新型コロナウイルス予防のための2つのmRNAワクチン:Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチン(2回接種、3週間間隔)及びModerna COVID-19ワクチン(2回接種、4週間間隔)が、2020年12月14日から2021年1月18日までの間に、ファイザーワクチン9943247用量とモデルナワクチン7581429用量が米国で投与されたと報告されました。(CDC未発表データ)
アナフィラキシー発生は、
ファイザーワクチン後47症例、百万用量当たり4.7症例。
モデルナワクチン後19症例、百万用量当たり2.5症例。
下がその一覧です。
興味深いことに、ほとんどが女性であること。
アナフィラキシー症状発現は、
ファイザーワクチンは1分~19時間。
モデルナワクチンは1分~45分。
両方ともその9割は、30分以内に発生していました。
一方1割は、もしかしたら接種会場から帰った時に発生する可能性があります。
アナフィラキシー症例の92%で緊急にエピネフリンを投与され、34人(52%)が救急科で治療され、32人(48%)が入院しました。このうち7人は気管内挿管が必要でした。
気管内挿管が必要だった7人の患者は、症状発現までの時間は中央値6分(1~45分)だったとのことです。やはり早く出現する患者は重篤である傾向があるようです。しかしいずれのワクチンも接種後のアナフィラキシーによる死亡例は、ありません。
アレルギーの既往は、2~3割の症例では認められず、実際の現場では既往がないといっても決して油断はできません。
アナフィラキシーのすべての症例でエピネフリンの即時投与が適応となり、ワクチンを投与するすべての施設には、アナフィラキシーを管理するときに必要な物資と、訓練された医療関係者がいる必要があると、この論文は結んでいます。
エピネフリン投与に禁忌はないそうなので、疑ったらすぐに投与すべきでしょう。又CPR(救急蘇生)に必要な物品はどんな小さい診療所でも必ず準備されていなければなりません。このことを基準に接種場所は決めていただきたいと思います。もしワクチン接種後のアナフィラキシーで死者を出したら、医療後進国と全世界から笑われるでしょう。
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