【JAMA 2020;324:603-605 より引用】
イタリアからの報告(上記のグラフ)では、コロナウイルス感染症の症状出現後約60日の段階で、少なくとも一つ以上の症状が残存している患者は、87.4%にのぼり、症状としては、倦怠感が53.1%、呼吸困難感が43.4%、関節痛が27.3%、胸痛が21.7%に認められ、その他咳嗽、嗅覚脱失、目や口の乾燥、鼻炎、眼球充血、味覚障害、頭痛、喀痰、食思不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛、下痢など様々な症状が認められたとのことです。32.2%の患者で1~2つの症状があり、55.2%の患者で3つ以上の症状を認めたとのことです。また44.1%の患者では、罹患後60日の時点で生活の質の悪化が認められ、入院後110日でも嗅覚障害、味覚障害が約10%の患者に見られたということです。
フランスの文献では、入院後約110日以上経過した時点で、高頻度の倦怠感・呼吸困難感以外に、34.2%に記憶障害、30.8%で睡眠障害、26.7%で集中力の低下、20%で脱毛を認められました。
ドイツからは、診断後約70日の時点で極めて高率(78%)に心臓MRI上異常を認めたとのことです。
多くの方々が、様々な後遺症に苦しめられています。
又、渋谷でクリニックを開業する平畑先生は、自験例を報告されています。軽症で宿泊療養の後に378人のうちの114人が、寝たきりに近い状態になっているということです。
若くて軽症で済んだといっても、後遺症のことを考えると決して油断できない疾患だと、改めて思わされました。 最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。