ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

スウェーデンのその後ー日本の参考にー

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今日もまた日記風に書かせてもらおうと思っていましたが、どうもテレビを見てもPCや携帯でニュースを見ても、やっているのはコロナの報道ばっかり。しかも何も政策・対策を打ち出せない政府や自治体のTOPの無能ぶり、その裏では困り果てている国民の姿が伝えられるのみ。

そこで日本の対策の参考になるのは、外国の政策や考え方です。

気になっているのは、スウェーデン。私の中では、「命の選別」を国の政策として実施した国です。しかしあの国独特の事情があってのことと思います。

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あれ以降どうなっているのでしょう。

10月ごろまで感染者は、それほど増えていませんでしたが、11月から再び急増。一日当たり感染者は多い日で7000人に達しています。

カロリンスカ大学勤務の宮川先生が伝えておられます。

www.nikkei.com

【一日当たりの新規感染者数】

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【一日当たりの死亡者数】

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11月に入って感染者数・死亡者数ともに急増しています。ストックホルムの I C U の利用率は、99%だそうです。

スウェーデンと各国を比較してみます。人口対感染者数・死亡者数は北欧近隣諸国よりかなり多くなっています。 しかしヨーロッパ全体としては、すごく多いとも言えません。

【人口100万人当たりの感染者数】

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https://ourworldindata.org/coronavirus

【人口100万人当たりの死亡者数】

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https://ourworldindata.org/coronavirus

医療崩壊を防ごうと、感染者に対する 、I C U 適応基準を厳しくしていなければ、救える命がたくさんあったかもしれません。これが何としても残念でなりません。なぜなら I C U は十分空いていたのですから。

3月4月の高齢者施設での多くの感染・死亡がなければ、公衆衛生庁の方針に対する非難の声は、それほど無かったと思われます。

意図的か不作為かは別として、今まで積極的な対策を取ってこなかった点では、スウェーデンと日本はよく似ています。

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これは、学校閉鎖、職場閉鎖、旅行・移動の禁止など政策の介入度によって数値化した国別比較ですが、両国は似てはいますが、スウェーデンは日本よりよほど介入していますし、途中から積極策に舵を切ったようです。

スウェーデンから我々が学ぶべきことは、効果的なワクチンや治療薬が出てこない限り、緩いコロナ対策を取り続けているといずれ手に負えなくなる、ということではないでしょうか。

カール16世グスタフ スウェーデン国王が「スウェーデンの新型コロナ対策は、失敗だったと思う。」といわれたそうですが、これは第一波で亡くなられた、多くの高齢者を弔って言われた言葉だと私は思います。ロベーン首相は、交通機関での混雑時のマスク着用を初めて推奨したとのことです。その他いろいろの規制策を発表したようです。

日本の政治家はどうするでしょう。・ ・ ・

本日、東京の感染者が1300人を超えたようですが、医療崩壊をすると現実に「命の選別」が始まります。これだけは何としても阻止しなければいけません。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

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