今日報道によると、アメリカで新型コロナウイルスに対するワクチンの接種がこれまでに100万回に達したとのことです。現時点で接種の対象者となっているのは、医療従事者と高齢者施設の入居者などで、全米で1700万人以上にのぼるとのことです。
しかも、ファイザー製もモデルナ製も有効率95%ということです。
ワクチンの効果に関しては、感染予防、発症予防、重症化予防に分けて考えた方が適当と考えます。
感染予防とは、接種した人が感染しないことですが、このウイルスの場合発症しない感染者が多数存在しますので、実証はかなり難しいと思います。
そうするとこの有効率は発症予防のことと思われます。 ワクチンを打ったら95人には効いたけど5人には効かなかったということでしょうか? そうではありません。これに関しては京都大学名誉教授の川村孝先生が分かり易く述べておられます。
https://shard.toriaez.jp/q1541/461.pdf
「公表された数字を使って、現実の有用性を計算してみるとプラセボ群2万人に接種して162人、実薬群2万人に接種して8人が発症したので、発症者は20分の1になる(これが有効率95%の根拠)。しかし現実的な見方をすると、2万人に接種して162人に感染するところが8名になり、154名の感染が防げることになるので、ワクチンを打って恩恵を受けた人の割合は0.8%[154÷20000]となる。残りの99.2%の接種者は、接種を受けても受けなくても運命は変わらない。 ここでもし重い副作用が接種者の1%にでも出たら有効性は吹き飛んでしまう。すなわち罹患率が低い病態に対するワクチンはほとんど副作用が生じないことが必要条件になる。副作用が”ある”ことは証明しやすいが、”ない”ことの証明は難しくワクチンがかなり普及してからでないと判明しない。」
と述べられています。これがワクチン接種は慎重にと考える人たちの大きな論拠と思われます。
ただしこのワクチンを1000万人に接種すると8万人もの人が発症しなくて済みますし、重症化もしません。集団免疫効果(接種していない人にも波及する予防効果)が後に明らかになればワクチン接種の意味は十分あると思います。
以前の記事にも書かせていただきましたが、
日本のワクチン接種はまだ先ですので十分情報を集めてから、急がずに決めればいいと思います。
結局は個人の感染防御習慣に尽きると思います。 いつも長い記事ですので、今日はこの辺で失礼いたします。
お忙しい中、最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございました。