ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

リハビリテーション

 リハビリテーションとは?

 医学的リハビリテーション

 診療所でのリハビリテーションの流れ

 運動器リハビリテーション

 維持期リハビリテーション

 ホームエクササイズ

 まとめ

 

 リハビリテーション(rehabilitation)

ラテン語で re(再び) habilis(適した)再び適した状態になること。

本来あるべき状態への回復。

1981年W H Oによる定義では、障害者の社会的統合を促し環境や社会に手を加えることを目的とする、あらゆる手段。

さらには、本人の障害と社会制度や慣習、偏見によって失われた人権を本来のあるべき姿に回復させるのがリハビリテーションである。

とされています。非常に広い概念であります。

 リハビリテーションには、5つの分野があります。

 医学的、職業、社会、教育、工学(リハビリテーション工学)

 

医学的リハビリテーション

 

病気や外傷が原因である障害の機能回復として主に病院や診療所、介護保険事業所などで行われます。

私が深く関与する、医学的リハビリテーションについて、お話したいと思います。

病院、診療所などで実施されますが  PT(理学療法士)、 OT(作業療法士), ST( 言語聴覚士)、柔道整復師、あんまマッサージ師などが直接担当します。

病院で急性期、回復期のリハビリテーションを終えた患者さんも同じですが、診療所に患者さんが来られての実際の流れとしては、

 

診療所でのリハビリテーションの流れ

 

まず診療所で外来医(整形外科か内科)が患者さんを診療し、リハビリが必要であればリハビリ室にいる PT や マッサージ スタッフに向けて指示箋(リハビリ内容を記入した指示書)を書きます。

そして患者さんは、リハビリ室に移動し、 PT などから病歴や身体所見をとられ、体の「評価」を受け生活改善や機能回復に向けて具体的なプランを立てられ、実施されます。再診の時には又、「評価」をしてプランを立て直され、実施されます。つまり、この繰り返しです。

 

運動器リハビリテーション

 

当院の PT の主な仕事は、私が整形外科医なので診療報酬上でいう運動器リハビリテーションになります。

これは、施設基準によりⅠ~Ⅲまであり各々点数が決まっています。

ただ、この運動器リハビリテーションは適応疾患が厳密に決まっており、該当しない場合は、物療(消炎鎮痛)のみで対応せざるをえません。

これに関して、実際に運動器リハビリテーション対象なのにできない場合も多々あり我々に裁量権を認めてもらうと、より充実して意味のあるリハビリが実施できると思います。

なぜなら、外来に多く通われる高齢者のリハビリで一番重要なのは、四肢脊柱の筋力強化と関節の可動域練習などの、運動器リハビリテーションだからです。

 

維持期リハビリテーション

 

運動器リハビリテーションで当初の5か月が終わりまだ必要な場合は維持期リハビリテーションに移行します。これはひと月に13単位までと決まっています。

1単位は20分で通常それ以外に物療の時間が加わります。

リハビリのための再来であっても必ずこの時、医師の診察を受けなければなりません。医師法第20条で「無診察治療」を禁止されているからです。薬の処方も同様です。

 

ホームエクササイズ

 

何十年も整形外科のリハビリを担当していて思うのは、外来に通ってやっていただくリハビリも大切ですが同じくらい大切なのは、ご家庭でご自身でやっていただくホームエクササイズ(自主トレーニング)です。

よくやっていただくのは、開眼片脚起立とスクワットです。

 

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その為には患者さんご自身のモチベーションが何より大切ですし、この意味で認知症の方は、リハビリが全くうまくいきません。

運よく同居するご家族がいて、生活支援や声掛けなど、家庭でのリハビリ環境が良い患者さんほど、効果が上がるようです。 PT を訪問リハビリもかねて家庭の視察に行かせることもあります。

我々が訪問診療もできれば、より良いとわかっていますが、実際は難しいのが現状です。

 

まとめ

 

書き出すとリハビリテーションは非常に多岐にわたりその範囲も広いもので1回のブログではとてもおさまりません。

先ほど述べた維持期リハビリテーションも行政より認められなかった時期があり、当時大変苦労しました。行政側にはもう少し高齢者の外来でのリハビリの重要性を認めてもらい診療報酬上のバックアップをお願いできればと思います。

 

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