ある整形外科医のつぶやき

外来の診察室で思うこと

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

COVID-19症状のない人からのSARS-CoV-2感染

JAMA Network Open誌2021年1月7日号に掲載された論文です。 マイケル・A・ヨハンソン博士1,2; タリア・M・クアンデラシー、博士号、MPH1; サラ・カダ博士1; et al JAMAネットワークオープン。2021; 4(1):e2035057。doi:10.1001 / jamanetworkopen.2020.3…

Moderna COVID-19ワクチンの初回投与を受けた後のアナフィラキシーを含むアレルギー反応

BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine Pfizer/BioNTech 社製のmRNAワクチン mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine Moderna社/NIAID製のmRNAワクチン Oxford–AstraZeneca COVID-19 vaccine AstraZenecaー Oxford(英)ウイルスベクターワクチン 以上が今後日本で使われる…

反ワクチン報道

医療が医療従事者と患者の共同作業として定着し、それが社会的に認知されるためには、医療に関連する様々な知識や医療の現状が常識として広く社会に共有されることが重要です。そのために、医師は医学や病気に関する専門的知識のみならず、現在の医療制度や…

SARS-CoV-2 ワクチンの安全性  2

drhirochinn.work jamanetwork.com 1月16日の記事にて、Pfizer/BioNTech 社製のmRNAワクチンとModerna社/NIAID製のmRNAワクチンの臨床試験の結果をお伝えしましたが、その後実際に接種が始まり上記の論文の時点で約190万人に接種した後のデータが出ました。…

もう一つのワクチン AZD1222

AZD1222は、オックスフォード大学とそのスピンアウト企業Vaccitechによって共同で発明され、英国アストラゼネカ社が販売のワクチンです。このワクチンは、複製できないように処理をした弱毒化されたチンパンジー由来の風邪のアデノウイルスに、SARS-CoV-2ウ…

アナフィラキシー

drhirochinn.work 今回の記事で皆さんが混乱されると全く本意ではありませんので、あらかじめお断りしておきますが、これから始まるワクチンによって集団免疫が得られればコロナ感染症は終息します。よって私は強くお勧めいたしますが、特にアレルギーをお持…

サイトカインストーム

drhirochinn.work 前回に続き今回も免疫、特に C O V I D -19における免疫異常に関して勉強していきたいと思います。 今回のテーマは、サイトカイン。 サイトカイン(Cytokine)とは、低分子量で分泌型のたんぱく質であり、細胞間シグナル伝達物質の総称です…

免疫のしくみ

自然免疫と獲得免疫 【出典元】 www.tyojyu.or.jp 最近、新型コロナウイルスのワクチンの話題が増えるのに伴い「免疫」、「抗体」、「サイトカイン」などの単語が報道にのる機会が増えてきました。膨大な数の研究者と彼らが費やした時間の成果として「免疫系…

SARS-CoV-2 ワクチンの安全性

最近 the NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE で同時期に発表された三つの論文を見ることができましたので、自分の勉強もかねて内容、特に副作用に注目してお伝えしたいと思います。 まず一つ目は、 1)Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Va…

自宅療養

最近は、ますますコロナ感染者が増えており、まさに感染爆発の様相を呈しております。いつ自分が感染するかわからない状況です。もしか(万が一ではなく) 感染した時に慌てないようにするために今から準備をしておきましょう。 入院や宿泊療養はいっぱいで…

新型コロナウイルス感染症の後遺症

【JAMA 2020;324:603-605 より引用】 イタリアからの報告(上記のグラフ)では、コロナウイルス感染症の症状出現後約60日の段階で、少なくとも一つ以上の症状が残存している患者は、87.4%にのぼり、症状としては、倦怠感が53.1%、呼吸困難感が43.4%、関節…

パルスオキシメーター

今回は、アフィリエイトの一環として物販をしようとしているわけでは、ありません。 最近マスコミにも時々登場しているので、皆さんもご存じかもしれませんが、パルスオキシメーターという医療機器があります。指先に装着して動脈血の酸素飽和度が簡便に計測…

疑問だらけの S A R S -C o V - 2 の起源

2019年12月8日に武漢市内で原因不明の肺炎が発生し、その後27人の患者が発生したと、中国が W H O を通して発表したのは、ちょうど一年前の12月31日でした。 なぜかその後中国政府は、発生源の第三者調査を求めたオーストラリアに猛反発し、同国産牛肉や大麦…

謹賀新年

旧年中は、色々とお世話になりました。 今年はいい年になりますように、皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。